日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI30] Data assimilation: A fundamental approach in geosciences

2019年5月29日(水) 13:45 〜 15:15 104 (1F)

コンビーナ:中野 慎也(情報・システム研究機構 統計数理研究所)、藤井 陽介(気象庁気象研究所)、宮崎 真一(京都大学理学研究科)、三好 建正(理化学研究所)、座長:三好 建正(理化学研究所計算科学研究機構)、中野 慎也(情報・システム研究機構 統計数理研究所)

15:00 〜 15:15

[MGI30-06] Development of Data Assimilation System for Atmospheric Density to Improve Satellite's Orbit Prediction Accuracy

*加藤 博司1日南川 英明1秋山 恭平1秋山 祐貴1中野 将弥2大日向 大地2中村 信一1 (1.宇宙航空研究開発機構、2.富士通株式会社)

キーワード:衛星軌道予測、大気密度、データ同化

低軌道環境には、わずかに大気が存在する。そのため、低軌道衛星の軌道予測の高精度化には、大気から受ける抵抗(大気抵抗)を高精度に予測することが必要不可欠となっている。大気抵抗は、大気密度、各衛星の弾道係数(質量、断面積、抵抗係数)から計算できるが、大気密度の不確かさが、大気抵抗予測の不確かさの大部分を占めると言われている。
大気密度の予測モデルは、これまで、いくつか提案されている。それらは、低軌道環境の観測情報は、非常に乏しいが、わずかに存在する衛星観測情報に基づいている。しかし、大気密度を高精度の予測することは、困難であり、衛星運用者は、軌道決定値に基づき、なんらかの補正量を求めることで、軌道予測精度を高めている。
JAXAは、2018年度から、大気密度再解析システム(データ同化システム)の開発を開始している。本システムは、地上から推定できる衛星軌跡上の大気密度平均情報と、各大気密度モデルの計算情報から、大気密度の再解析を実現するものである。大気密度観測情報としては、米国NORADが提供している各衛星の軌道情報(Two Line Element)に基づき推定することができる。大気密度モデルは、軌道分野で使われているNRLMSIS-00モデルとJacchia Bowman 2008モデルを利用している。そして、データ同化手法としては、アンサンブルカルマンフィルター、アンサンブル変換カルマンフィルタを実装している。
本発表では、大気密度再解析システムの詳細を紹介するとともに、システム検証として進めている双子実験(数値実験)の結果について報告する。