日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI33] データ駆動地球惑星科学

2019年5月27日(月) 15:30 〜 17:00 A08 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:桑谷 立(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、長尾 大道(東京大学地震研究所)、上木 賢太(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、加納 将行(東北大学理学研究科)、座長:桑谷 立(海洋研究開発機構)、矢部 優(海洋研究開発機構)

15:30 〜 16:00

[MGI33-06] マルコフ連鎖モンテカルロ法の現状:多峰性問題に強い手法とその応用を中心として

★招待講演

*伊庭 幸人1 (1.統計数理研究所)

キーワード:マルコフ連鎖モンテカルロ法、レプリカ交換モンテカルロ法(パラレルテンパリング)、ベイズモデリング、レアイベントサンプリング

本講演では、まず、統計物理で生まれたマルコフ連鎖モンテカルロ法がベイズ統計に応用されるまでの歴史とWinBugs, JAGS, Stanなど現在利用できる計算環境について簡単に説明する。次に、複雑で非線形性・非ガウス性の強い問題に適用するためには多峰性の分布の扱いがポイントであることを指摘し、そのために有用な手法としてレプリカ交換モンテカルロ法(パラレルテンパリング)を紹介する。最後に、マルコフ連鎖モンテカルロ法の適用分野は統計物理とベイズ統計に限らず、魔方陣の個数の推定、非線形力学系の珍しい軌道のサンプリング、複雑な統計的検定など、確率や高次元体積に関連した問題への多様な応用が可能であることを論じる。