日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI37] 情報地球惑星科学と大量データ処理

2019年5月26日(日) 13:45 〜 15:15 301B (3F)

コンビーナ:村田 健史(情報通信研究機構)、本田 理恵(高知大学自然科学系理工学部門)、野々垣 進(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質情報研究部門 情報地質研究グループ)、堀之内 武(北海道大学地球環境科学研究院)、座長:野々垣 進村田 健史(情報通信研究機構)

14:45 〜 15:00

[MGI37-05] 安価で小型な気球観測装置の開発と地球高層大気観測への利用の試み

*高田 拓1笹岡 由唯1上田 真也1村田 健史2鈴木 秀彦3 (1.高知工業高等専門学校、2.国立研究開発法人情報通信研究機構、3.明治大学)

キーワード:気球観測、小型気球、超高層大気、成層圏、対流圏、LoRa変調通信

本発表では、安価で小型な気球観測装置の開発状況と、それらの地球高層大気(対流圏から成層圏)観測への利用について紹介する。気象観測などで利用されるゴム気球にヘリウムなどを封入して放球することで、対流圏を超えて、成層圏に至る領域に、観測装置を飛行させることができる。我々は、2014年頃から学生主体の取り組みとして、気球観測装置の開発と放球実験を行ってきた。2018年度は、気球飛行経路の把握のために、920 MHz帯のLoRa (Long Range)変調による通信機を用いて、3~4の地上局(移動局を含む)を設置することで、気球の飛行経路を常に監視できるシステムを目指した。LoRa通信機による、見通しの良い長距離(約28 km程度まで)の通信実験を行い、LoRa変調による通信状況を把握することでき、気球監視に十分適用できることを確認した。さらに、現在、気球切り離しシステムを検討中であり、指定した高度近くで気球を切り離すことで、水平方向に流される距離を短くし、最適高度での観測時間を長くすることができる。本気球観測システムでは、様々な地球高層大気観測に利用されることを目指しており、主に3つの観測パターンに分類できる。3つのパターンは、(1)気球の破裂高度である高度約25 km程度の成層圏へ到達させ、破裂後はパラシュート降下する場合、(2)大気密度が十分小さくなる高度15 km程度に到達後に気球を切り離してパラシュート降下する場合、(3)対流圏の雲を完全に抜けた後に、高度7-10 km程度で気球を切り離し、パラシュート降下する場合である。我々は、様々な観測対象に適した気球観測が実現することを望んでいる。