[MGI37-P08] 小天体への着陸地点選択のための平坦領域探索手法
キーワード:自動抽出、平坦地、クラスタリング、メディアンフィルタ
2018年6月はやぶさ2が小惑星リュウグウに到着した。リュウグウの表面はおびただしいボルダーに覆われ、着陸に影響を及ぼす数十mスケールのボルダーが存在しない空白領域を簡易に発見することは難しかった。このため、人間の視覚による精査の前に、迅速にボルダの存在しない空白領域を機械的に抽出するための手法を画像処理、機械学習の手法を組み合わせて検討した。まず大まかな有望領域の探索には、クラック解析などにも使用されるメディアンフィルタ画像と原画像の差分画像を使用した。この手法は1ピクセルサイズの異常領域を抽出することができるが、より大きなサイズの特徴にも対応するため、1/2, 1/4の階層化画像を用いた。また負の異常領域と正の異常領域は別々に抽出した。この結果に対して、着陸精度に相当する円形の窓を配置し、その中の危険画素の被覆率を計算し、しきい値処理をすることによって、平坦領域をピックアップした。また、表面のテクスチャのクラスタリングによって平坦領域を粗く識別する手法も開発した。このような手法は地球観測衛星などに対する地滑り領域の探索などにも使用できると考えられる。