日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS08] ジオパーク

2019年5月27日(月) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:尾方 隆幸(琉球大学島嶼防災研究センター)、青木 賢人(金沢大学地域創造学類)、松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、田所 敬一(名古屋大学地震火山研究センター)

[MIS08-P04] 地域住民によるモニタリング調査のジオパークへの活用:桜浜の地形変化

*今井 悟1佐藤 久晃1平野 順久 (1.土佐清水ジオパーク推進協議会)

キーワード:ジオパーク、ジオサイト、保全、モニタリング、砂浜

ジオパーク内のサイトを適切に管理するには,サイトのモニタリングを実施し,変化の実態を把握することが重要である.しかし,土佐清水ジオパーク構想におけるモニタリングは,ジオパーク推進室が主体となっており,様々な関係者と協働しやすいという利点がある反面,調査期間や頻度が十分でない.そのため,サイトの科学的な評価が困難な状況となっている.そこで,地域住民の写真や手記といった記録をモニタリング資料として扱うことで情報の補填を試みた.なお,地域住民がジオパーク活動に関わる以前から独自に蓄積していた記録について学術的な評価を与え,地域住民に還元することは,サイトの学術的価値やモニタリングの重要性を認識してもらう上で効果的であり,またジオパーク専門員の重要な役割でもある.
本発表で対象とした桜浜は,土佐清水市の中央部に竜串湾の湾奥部に位置するポケットビーチである.江戸時代から風光明媚な名所として知られている砂浜だが,近隣住民からは砂浜面積の縮小や礫の増加,打ちあがる貝殻の種類の変化などが指摘されている.砂浜海岸は人間の活動や環境変動による影響を受けやすいとされる.また,産卵場や幼生の生育場などとして一時的に砂浜海岸を利用する生物も多く,綿密なモニタリングをおこなう意義は大きい.筆者の1人である平野はほぼ毎日,桜浜の同じ地点で写真を撮影し,整理していた.その中には,台風前後の地形および粒度変化の様子や,孵化したアカウミガメの幼体などが収められている.本発表ではこれら写真を解析した結果と,今後の展望について議論する.