日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS10] 結晶成長、溶解における界面・ナノ現象

2019年5月28日(火) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:木村 勇気(北海道大学低温科学研究所)、三浦 均(名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科)、佐藤 久夫(三菱マテリアル株式会社エネルギー事業センター那珂エネルギー開発研究所)、塚本 勝男(大阪大学大学院工学研究科)

[MIS10-P05] ノルセサイトBaMg(CO₃)₂の結晶化における硝酸アンモニウム添加の効果

*越後 至1麻川 明俊1畝田 廣志小松 隆一1 (1.山口大学大学院創成科学研究科)

キーワード:ノルセサイト、水溶液成長、硝酸アンモニウム

ノルセサイトBaMg(CO3)2は従来の圧電結晶や光学結晶より高い複屈折を示すため、ノルセサイトは新たな音響光学素子や波長変換素子として利用できると期待することができる。しかしながら、ノルセサイトは溶解度が低く、過飽和度の制御が容易ではないため、ノルセサイトの育成は難しい。本研究では、ノルセサイトの溶解度の改善をめざし、ノルセサイトの結晶化に及ぼすNH4NO3の添加の効果を調べた。ノルセサイトの溶解度は純水へのNH4NO3の添加量が増加するにつれて増加した。またNH4NO3の添加量が1Mに達すると、ノルセサイトの溶解度は無添加の場合の約30倍まで向上し、その後、頭打ちとなった。次に、70oCで生成した。沈殿物を粉末XRD測定すると、1MのNH4NO3を添加した場合のみ、混合直後にノルセサイトの回折ピークが検出された。この結果よりNH4NO3の添加によりノルセサイトの結晶化は加速することが明らかになった。以上より、我々はNH4NO3の添加はノルセサイトの育成に有効と結論付けた。