[MIS12-P04] 陸上津波堆積物に含まれるマッドクラストの側方変化
キーワード:津波堆積物、マッドクラスト、円磨度
福島県南相馬市小高区にある調査地域の3.11津波堆積物の最下部層に認められるマッドクラスト濃集層が分布することが分かっている.検討した試料はZ07試料(海岸から760 m)とT07試料(海岸から1140 m)の2試料である.両堆積物のマッドクラスト濃集層の詳細解析から,津波の遡上に伴う内陸方向への性状変化を検討した.なお,T07試料のマッドクラスト部は3つの堆積ユニット(下位よりユニット1,2,および3)に細分し,ユニット毎に検討を行った.
Z07試料の基底面形状の空間分析の結果,陸側のほうが海側よりも約1.0 cm高くなっており,面全体に0.5~1.0 cm程度の丸型の凹凸が見られるものの,全体的に平坦な形状を持つことが分かった.一方,T07試料の基底面形状は,深さ5cm程度の強い起伏があり不規則な形状であることが分かった.
T07試料のマッドクラストの中央粒径は-2.9φであったのに対し,Z07試料では,-1.7φ,-2.5φ,および-2.6φであり,T07試料の方がZ07試料よりも粗粒であった.一方,T07試料のマッドクラストの中央円磨度は0.74で,Z07試料の値0.74,0.78,および0.74であり,Z07試料のユニット2が若干高い値を示すものの大きな違いは認められなかった.また,粒径に対する円磨度の相関を検討したところ無相関であることが分かった.これらのことから,本研究で検討した2試料において,マッドクラスト自体の性状は,上流(海側)から下流(内陸側)へ一様に細粒化し,円磨されるようなものではなく,遡上に伴う地表面の侵食作用も一様ではないことが明らかになった.
Z07試料の基底面形状の空間分析の結果,陸側のほうが海側よりも約1.0 cm高くなっており,面全体に0.5~1.0 cm程度の丸型の凹凸が見られるものの,全体的に平坦な形状を持つことが分かった.一方,T07試料の基底面形状は,深さ5cm程度の強い起伏があり不規則な形状であることが分かった.
T07試料のマッドクラストの中央粒径は-2.9φであったのに対し,Z07試料では,-1.7φ,-2.5φ,および-2.6φであり,T07試料の方がZ07試料よりも粗粒であった.一方,T07試料のマッドクラストの中央円磨度は0.74で,Z07試料の値0.74,0.78,および0.74であり,Z07試料のユニット2が若干高い値を示すものの大きな違いは認められなかった.また,粒径に対する円磨度の相関を検討したところ無相関であることが分かった.これらのことから,本研究で検討した2試料において,マッドクラスト自体の性状は,上流(海側)から下流(内陸側)へ一様に細粒化し,円磨されるようなものではなく,遡上に伴う地表面の侵食作用も一様ではないことが明らかになった.