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[MIS14-05] 南大洋インド洋区における海洋地球科学総合観測:白鳳丸KH-19-1次航海成果速報
キーワード:南大洋、古海洋、海氷、南極、生物生産、南極底層水
南大洋インド洋区において、白鳳丸を用いた海洋地球科学総合観測(KH-19-1)を実施した。IODPプロポーザル918の3地点(デルカノライズおよびコンラッドライズ)においてサイトサーベイ(シービーム海底地形、反射法地震探査、SBP地層探査)を行い掘削地点の精査を完了した。デルカノライズのDCR-03AおよびDCR-02Aからマルチプルコアとピストンコアを採取した。帯磁率および明度の変化からDCR-2PC(DCR-02A)は複数回の氷期・間氷期サイクルを保持していることが推定され、亜南極域における古海洋変動を復元する試料として重要である。コンラッドライズにおけるドレッジ観測にて多様な岩石試料を採取し、ライズの成因や南西インド洋のテクトニクスの理解に供する試料を確保した。また、南極前線の南の高い生物生産を有する海域のECR-1(55°S, 45°E)からセジメントトラップを回収することに成功し、1年間の沈降粒子を得た。沈降粒子フラックスは夏季に多く冬季に少ない典型的な季節変化を示した。さらに、南極ケープダンレー沖の深海チャネルにおいて3つの係留系を設置するとともに、深海チャネルを横断する測線にて反射法地震探査を初めて実施し、チャネル底脇からピストンコアを採取した。今後これらの試料とデータを解析することで、南極氷床の拡大縮小にともなう堆積プロセスの変化やケープダンレー底層水の変遷史の解明に繋がる研究が進展すると期待される。