日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS14] 南大洋・南極氷床が駆動する全球気候変動

2019年5月27日(月) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:関 宰(北海道大学低温科学研究所)、岡 顕(東京大学大気海洋研究所)、植村 立(琉球大学 理学部)、真壁 竜介(国立極地研究所)

[MIS14-P05] 南大洋ビンセネス湾沖における端脚類Themisto gaudichaudiiの摂餌生態

*松下 隼士1真壁 竜介2茂木 正人1 (1.東京海洋大学、2.国立極地研究所)

キーワード:南大洋、マクロ動物プランクトン、端脚類

ナンキョクオキアミと同様に食物網をつなぐマクロ動物プランクトンとして,端脚類が挙げられる。端脚類は高次捕食者の重要な摂餌対象とされる一方,肉食者として動物プランクトンを捕食するため,植食者や粒子食者とされるオキアミ類と食段階が異なる。南大洋で広く分布する端脚類Themisto gaudichaudiiは,海域によりマクロ動物プランクトンの最優占種となることもある。食性は日和見的な肉食者とされ,実際に消化管内容物からはカイアシ類やオキアミ類,サルパ類といった様々な動物プランクトンが観察されている。南大洋ではオキアミ類を対象とした生態系研究が活発に行われてきた一方,端脚類に関する研究は少なく,特にインド洋セクターでは充分な知見が得られていない。これらの観点より本研究ではT. gaudichaudiiの消化管内容物解析から,インド洋セクターにおける夏季の摂餌生態を明らかにすることを目的とした。T. gaudichaudii第22次海鷹丸南極海航海(2019年1月)において,南大洋ビンセネス湾沖西経110度ラインに沿った観測点7点で採集され,消化管内容物の解析に供した。また,飼育により採取した糞粒から解析結果を補足した。本発表では,T. gaudichaudiiの摂餌生態を調べることで,インド洋セクター生態系における端脚類の役割を考察する。