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[MIS17-02] バビロン天文日誌の研究:現状と展望
キーワード:バビロン天文日誌、バビロン、楔形文字
発表者はアッカド語楔形文字で粘土板に書かれた膨大な文書、『バビロン天文日誌』(以下ADB)の研究状況と今後の展望について述べる。ADBはバビロニア(主にバビロン)で前7世紀から前1世紀にかけて作成され、天文、天候、ユーフラテス河の水位、農畜産物の価格、歴史的事件などを詳細に記録する。ADBの粘土板は1500枚ほど現存するが、これまでに400枚程度が、研究者が使用できるかたちで出版されているに過ぎない。発表者は2年間ロンドンに滞在し、未発表のADB粘土板のほとんどと、既発表のADB粘土板のかなりの部分を調査し、その写真を撮影した。これをもとに、今後発表者は未発表粘土板の出版と、既発表粘土板の再校訂を行う。さらに他の研究者と共同し、ADBの天文、天候の情報から、オーロラをはじめとする古代の天文現象や古気候を復元する。