日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS17] 歴史学×地球惑星科学

2019年5月27日(月) 09:00 〜 10:30 201B (2F)

コンビーナ:加納 靖之(東京大学地震研究所)、芳村 圭(東京大学生産技術研究所)、磯部 洋明(京都市立芸術大学美術学部)、岩橋 清美(国文学研究資料館)、座長:加納 靖之 (東京大学 地震研究所)、岩橋 清美磯部 洋明芳村 圭玉澤 春史

09:30 〜 09:45

[MIS17-02] バビロン天文日誌の研究:現状と展望

*三津間 康幸1 (1.東京大学)

キーワード:バビロン天文日誌、バビロン、楔形文字

発表者はアッカド語楔形文字で粘土板に書かれた膨大な文書、『バビロン天文日誌』(以下ADB)の研究状況と今後の展望について述べる。ADBはバビロニア(主にバビロン)で前7世紀から前1世紀にかけて作成され、天文、天候、ユーフラテス河の水位、農畜産物の価格、歴史的事件などを詳細に記録する。ADBの粘土板は1500枚ほど現存するが、これまでに400枚程度が、研究者が使用できるかたちで出版されているに過ぎない。発表者は2年間ロンドンに滞在し、未発表のADB粘土板のほとんどと、既発表のADB粘土板のかなりの部分を調査し、その写真を撮影した。これをもとに、今後発表者は未発表粘土板の出版と、既発表粘土板の再校訂を行う。さらに他の研究者と共同し、ADBの天文、天候の情報から、オーロラをはじめとする古代の天文現象や古気候を復元する。