16:07 〜 16:22
[MIS19-14] 珪藻化石記録に基づく最終氷期における琵琶湖湖水位変動の復元
キーワード:琵琶湖、浮遊性珪藻、変換式、湖水位変動、東アジア冬季モンスーン
琵琶湖愛知川河口から北東約5 km沖の水深23.45 mの湖底から採取されたボーリングコア試料と愛知川河口沖の水深5~30 mの湖底から水深5 m毎に採取された湖底表層試料を用いて,珪藻,含砂率,C/N比について分析をおこない,湖底表層試料の分析結果に基づき,珪藻群集中の浮遊性珪藻の相対頻度(%)から水深(m)を導く変換式を作成した.その変換式を,ボーリングコア試料中の珪藻化石群集に適用して,琵琶湖の最終氷期(約1~5万年前)における湖水位変動の復元を試みた.
変換式に基づいて復元した琵琶湖の最終氷期における湖水位の変動と,中国のSanbao & Hulu cave の石筍の酸素同位体比とグリーンランドのNGRIPの酸素同位体比とを対比した結果,琵琶湖における相対的な高湖水位期とハインリッヒ・イベントをはじめとした急激な寒冷期との間には対応関係がみられた.この結果から,最終氷期における琵琶湖の湖水位の変動が,琵琶湖集水域における冬季降雪量の増減を伴う東アジア冬季モンスーンの消長を反映したものであることが示唆される.
変換式に基づいて復元した琵琶湖の最終氷期における湖水位の変動と,中国のSanbao & Hulu cave の石筍の酸素同位体比とグリーンランドのNGRIPの酸素同位体比とを対比した結果,琵琶湖における相対的な高湖水位期とハインリッヒ・イベントをはじめとした急激な寒冷期との間には対応関係がみられた.この結果から,最終氷期における琵琶湖の湖水位の変動が,琵琶湖集水域における冬季降雪量の増減を伴う東アジア冬季モンスーンの消長を反映したものであることが示唆される.