日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS19] 古気候・古海洋変動

2019年5月30日(木) 10:45 〜 12:15 304 (3F)

コンビーナ:岡崎 裕典(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、岡 顕(東京大学大気海洋研究所)、加 三千宣(愛媛大学沿岸環境科学研究センター)、長谷川 精(高知大学理工学部)、座長:岡崎 裕典

11:30 〜 11:45

[MIS19-26] 完新世初期における日本海への対馬暖流の周期的流入に関する海洋力学モデル

*磯辺 篤彦1 (1.九州大学応用力学研究所)

キーワード:対馬暖流、周期的流入、非線形モデル

1万前に太平洋に口を開いた対馬海峡から、対馬暖流は一進一退を繰り返す周期的な流入を始め、8千年ほど前から現在のような恒常的な日本海通過流となったと言われている(e.g., Oba et al., 1991;大場, 2006)。しかし、対馬暖流は亜熱帯循環から縁辺海に分岐した線形のバイパス流であり(Minato & Kimura, 1980)、亜熱帯循環が周期的に変化するか、あるいは対馬海峡が周期的に閉鎖と開口を繰り返さない限り、対馬暖流が周期的な流入を示すとは考えにくい。本研究では、定常の亜熱帯循環から、一進一退を繰り返す分岐流が形成される力学モデルを提案する。Kida & Qiu (2013)の島法則に移流項を追加した非線形モデルを用いた。日本海に流入する対馬暖流の流量は、流入と非流入の二つの解を持ち、海峡が浅い場合に、これらの解は周辺の環境変化によって容易に遷移することが示唆された。