日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS19] 古気候・古海洋変動

2019年5月30日(木) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:岡崎 裕典(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、岡 顕(東京大学大気海洋研究所)、加 三千宣(愛媛大学沿岸環境科学研究センター)、長谷川 精(高知大学理工学部)

[MIS19-P07] 房総半島南端に分布する鮮新ー更新統千倉層群における浮遊性有孔虫化石群集を用いた水塊構造変動の復元

*岡田 誠1長谷川 大輔2 (1.茨城大学理学部理学科、2.茨城大学大学院理工学研究科)

キーワード:浮遊性有孔虫群集、千倉層群、北半球氷河化作用

本研究では2.3Ma以降の層準について群集解析を行い,NHGの影響は本当に一時的なものであったのか,また氷期‐間氷期サイクルによって表層水塊はどのように変化していたのか明らかにすることを目的とする.浮遊性有孔虫化石の群集解析は2.2-3.0 Ma間の57層準で13属61種を同定した.環境指標となる種の産出頻度の変化から6つのPhaseに分けた.その中でも特徴的なPhaseとしては3つ挙げられる.
PhaseⅡ(2.75Ma~2.65Ma):混合水域種が最大50%まで増加するため混合水の影響が強い寒冷な環境であった.
PhaseⅤ(2.42 Ma~2.35Ma):黒潮種が本研究で対象とした期間で最も高い40%程度まで増加し温暖であった.
PhaseⅥ(2.35Ma~):混合水域種が振幅を繰り返しながら50%程度まで増加していく.このため徐々に寒冷化が強まると考えられる.
この様に2.7Ma以降,一方的に寒冷化が進むのではなく黒潮が強まる時期を挟んで2.35Maから再び寒冷化が起こる.また氷期-間氷期に対応した群集の変化も見られた.