日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS20] 山の科学

2019年5月27日(月) 09:00 〜 10:30 103 (1F)

コンビーナ:鈴木 啓助(信州大学理学部)、苅谷 愛彦(専修大学文学部環境地理学科)、佐々木 明彦(国士舘大学文学部史学地理学科 地理・環境コース)、奈良間 千之(新潟大学理学部理学科)、座長:苅谷 愛彦(専修大学)

09:00 〜 09:15

[MIS20-01] 多摩川上流・本仁田山の完新世地すべり堆積物

*苅谷 愛彦1澤部 孝一郎2 (1.専修大学文学部環境地理学科、2.国土防災技術)

キーワード:奥多摩、14C年代、斜面物質移動、地すべり

多摩川上流地域は付加体堆積岩類から成り,中・小規模の地すべり地が随所に発達する.本研究では,東京都奥多摩町本仁田山山頂の北東約1.4kmの谷底(北緯35度50分17秒,東経139度6分50秒,標高710 m)に定置する地すべり堆積物から2点の材化石を得て,それらの最外部分の14C年代を測定した.この結果,試料は 10250-10189 cal BPおよび10150-10057/10042-9987/9959-9704 cal BPを示した.いずれも OxCal4.3とIntCal13による2σ年代である.これらの年代値より,この事例では完新世初頭に地すべりが発生したと判断される.これまで指摘されてきたように,この時代の多雨化と河床高度の低下が相まって,多摩川上流で地すべりが増加した可能性がある.年代の面では,近接する立川断層帯の最新古地震イベントとは直接結びつかない.