日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS20] 山の科学

2019年5月27日(月) 09:00 〜 10:30 103 (1F)

コンビーナ:鈴木 啓助(信州大学理学部)、苅谷 愛彦(専修大学文学部環境地理学科)、佐々木 明彦(国士舘大学文学部史学地理学科 地理・環境コース)、奈良間 千之(新潟大学理学部理学科)、座長:苅谷 愛彦(専修大学)

09:15 〜 09:30

[MIS20-02] 山岳地形の理解に対する立体表現地図と3D模型の活用とその効果

*小森 次郎1 (1.帝京平成大学)

キーワード:赤色立体地図、オンライン地図、3Dプリンター、氷河地形、地すべり地形、教育効果

地形はそれを構成する地質や地形面の構造発達史、風化〜堆積に至る履歴により特徴的な形態を示す。しかし、地球惑星科学に興味がない、あるいは学ぶ機会がない人にとって、その特徴を理解することは難しい。特に一般の人が直接目にする機会の少ない山岳域の地形についてはそれは顕著であろう。この問題に対しては、ステレオ画像の立体視が以前から有効であるが、立体視鏡の確保や視認の個人差など解決を要する点が多い。いっぽう近年、特殊な立体地図やWeb画面上での3Dビューイング、3Dプリンターによる印刷模型、など室内に居ながらにして地形の立体像を目にし、手にすることが容易になってきた。以上の背景から、本研究ではこれらを使うことで山岳域の地形について一般の人の理解がどのように進むかについて調査を進めている。

 用いた材料は赤色立体地図(紙資料)、Google Mapの3Dビュー(スクリーンへの投影)、および小型3Dプリンターによる立体地形模型(ハンズオン資料)である。それぞれの利用を経たものと経ない者には明らかに理解の差が見られる。本発表では国内の氷河地形および崩壊地形等を例に、利用の効果について報告する。

(・本研究は科学研究費補助金 基盤研究(C)16K04706-A「ボーリングコアを用いた理科地学領域の授業改善:野外自然体験学習の代替として(研究代表者 植木岳雪)」による助成を受けた.・本大会内での関連の発表:「卓上3Dプリンターの地形模型をつかった地球惑星科学のアウトリーチとその効果」(セッション G-02 地球惑星科学のアウトリーチ))