11:45 〜 12:00
[MIS20-11] 越後山脈に分布するスギを含むマツ林の形成とその環境要因について
キーワード:天然スギ、越後山脈、御神楽岳、積雪傾度、植物社会学、植生調査データベース
福島県会津地域南西部から新潟県東蒲原郡が接する地域には、天然生のスギが生育していることが知られている。
このスギは本名スギまたは三条スギと呼ばれる郷土品種として知られており(中元・渡部 1959)、緩やかな斜面ではブナと混交する林を形成し、尾根上ではキタゴヨウあるいはアカマツとの混生林を形成する。
スギとブナが混交した林分は秋田県を中心に日本海側で認められる(2018 越前谷)、一方スギとキタゴヨウもしくはアカマツと混交する林分は他の地域ではあまり認められず、この地域特有のものである。
この地域の植生について松浦(2010)は「本地域の植生で最も特徴的といえるものは、豪雪による頻繁な雪崩により形成された低木林や草地からなる雪崩植生である。尾根脇の上部斜面の両側から低木林の雪崩植生となり、ヤセ尾根上にマツ林(キタゴヨウを主体とし、低標高地にはアカマツが混生)が線状(モヒカン刈り状)に残る。」として、積雪の影響によって形成された植生であることを示している。
ところで、筆者は昨年秋季を中心にこの地域において踏査を行い、このスギを含むマツ林が積雪傾度との関連性を持っていることに気がついた。また、植物の組み合わせの観点、つまり植物社会学的には日本の亜高山域に分布する「クロベ-キタゴヨウ林」との関連性が強いことも明らかとなった。
これらの関連性、つまり、植物社会学的特徴と積雪などの環境の地理的な関連性について、既存の植生調査データベースやメッシュ気候値を用いて解析を行い、その結果を報告する。
このスギは本名スギまたは三条スギと呼ばれる郷土品種として知られており(中元・渡部 1959)、緩やかな斜面ではブナと混交する林を形成し、尾根上ではキタゴヨウあるいはアカマツとの混生林を形成する。
スギとブナが混交した林分は秋田県を中心に日本海側で認められる(2018 越前谷)、一方スギとキタゴヨウもしくはアカマツと混交する林分は他の地域ではあまり認められず、この地域特有のものである。
この地域の植生について松浦(2010)は「本地域の植生で最も特徴的といえるものは、豪雪による頻繁な雪崩により形成された低木林や草地からなる雪崩植生である。尾根脇の上部斜面の両側から低木林の雪崩植生となり、ヤセ尾根上にマツ林(キタゴヨウを主体とし、低標高地にはアカマツが混生)が線状(モヒカン刈り状)に残る。」として、積雪の影響によって形成された植生であることを示している。
ところで、筆者は昨年秋季を中心にこの地域において踏査を行い、このスギを含むマツ林が積雪傾度との関連性を持っていることに気がついた。また、植物の組み合わせの観点、つまり植物社会学的には日本の亜高山域に分布する「クロベ-キタゴヨウ林」との関連性が強いことも明らかとなった。
これらの関連性、つまり、植物社会学的特徴と積雪などの環境の地理的な関連性について、既存の植生調査データベースやメッシュ気候値を用いて解析を行い、その結果を報告する。