09:00 〜 09:15
[MIS24-01] ちきゅう・新青丸・勢水丸と連携した潮岬での陸域気象観測
キーワード:黒潮、DONET、大気海洋相互作用
紀伊半島沖は南海トラフ地震の発生源として、地震・津波観測監視システムDONETが展開され、海底圧力がリアルタイムで観測されている。この海底圧力データには地殻変動成分だけでなく、大気海洋変動成分も含まれており、各成分を分離抽出できれば、地震学だけでなく、気象学、海洋学に活用することが可能となる。このためには、DONET直上での大気海洋観測が必要である。また、近年、黒潮からの大気境界層への熱・水蒸気供給が海上風や降水、低気圧発達に影響を与えることが明らかになりつつあり、黒潮付近での大気海洋同時観測による実態解明が必要である。今回、地球深部探査船「ちきゅう」が熊野灘で長期掘削する機会に合わせて、東京大学/海洋研究開発機構の「新青丸」、三重大学の「勢水丸」、京都大学防災研究所潮岬風力実験所での大気海洋同時観測を実施した。観測期間は2018年10月11日~20日(観測1)、11月5日~9日(観測2)、11月12日~16日(観測3)の3期間で、それぞれ、新青丸KS-18-13航海、勢水丸1826次航海、1827次航海に当たる。潮岬風力実験所では3期間とも1日2回(日本時間03時、15時)のGPSゾンデ観測を実施した。また、観測1ではドローンに搭載した気象センサーによる気象観測、観測2と観測3では、ドップラーライダーによる大気境界層観測、観測3ではパイロットバルーンによる風観測も実施した。観測期間中、紀伊半島沖で同時観測していた新青丸、勢水丸では海上竜巻が観測されたが、潮岬はおおむね北よりの風で、晴れまたは曇りの天候が続き、降水が観測されたのは数日であった。ゾンデ観測はおおむね高度20km弱まで観測できており、上空の西風に乗って、静岡沖まで到達、落下していた。本発表では、観測の概要と初期解析結果について紹介する。
謝辞
本研究は近畿建設協会研究助成、京都大学防災研究所一般共同研究、JSPS科研費17K19093の支援を受けた。
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本研究は近畿建設協会研究助成、京都大学防災研究所一般共同研究、JSPS科研費17K19093の支援を受けた。