日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS24] 海底~海面を貫通する海域観測データの統合解析

2019年5月26日(日) 09:00 〜 10:30 301B (3F)

コンビーナ:有吉 慶介(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、木戸 元之(東北大学 災害科学国際研究所)、稲津 大祐(東京海洋大学)、高橋 成実(防災科学技術研究所)、座長:有吉 慶介木戸 元之

09:00 〜 09:15

[MIS24-01] ちきゅう・新青丸・勢水丸と連携した潮岬での陸域気象観測

*吉田 聡1有吉 慶介2小松 幸生3立花 義裕4藤田 実季子2野津 雅人5西川 はつみ10川合 義美2木下 直樹6Lyndon Olaguera5久保 美晴8長谷 健太郎7松山 祐矢6増田 南波9入江 健太11吉田 哲治10渡部 友祐7松田 康佑12青木 俊輔7渡辺 真吾2栗栖 朗13山崎 聖太7平田 英隆14秋山 静佳7重田 祥範15宮田 昌15松原 甲斐15多田 楽空15渡来 靖16中村 祐輔16 (1.京都大学防災研究所、2.海洋研究開発機構、3.東京大学大学院新領域創成科学研究科、4.三重大学大学院生物資源学研究科、5.首都大学東京、6.九州大学、7.京都大学、8.琉球大学、9.弘前大学、10.北海道大学、11.東京学芸大学、12.東京海洋大学、13.岡山大学、14.名古屋大学、15.公立鳥取環境大学、16.立正大学)

キーワード:黒潮、DONET、大気海洋相互作用

紀伊半島沖は南海トラフ地震の発生源として、地震・津波観測監視システムDONETが展開され、海底圧力がリアルタイムで観測されている。この海底圧力データには地殻変動成分だけでなく、大気海洋変動成分も含まれており、各成分を分離抽出できれば、地震学だけでなく、気象学、海洋学に活用することが可能となる。このためには、DONET直上での大気海洋観測が必要である。また、近年、黒潮からの大気境界層への熱・水蒸気供給が海上風や降水、低気圧発達に影響を与えることが明らかになりつつあり、黒潮付近での大気海洋同時観測による実態解明が必要である。今回、地球深部探査船「ちきゅう」が熊野灘で長期掘削する機会に合わせて、東京大学/海洋研究開発機構の「新青丸」、三重大学の「勢水丸」、京都大学防災研究所潮岬風力実験所での大気海洋同時観測を実施した。観測期間は2018年10月11日~20日(観測1)、11月5日~9日(観測2)、11月12日~16日(観測3)の3期間で、それぞれ、新青丸KS-18-13航海、勢水丸1826次航海、1827次航海に当たる。潮岬風力実験所では3期間とも1日2回(日本時間03時、15時)のGPSゾンデ観測を実施した。また、観測1ではドローンに搭載した気象センサーによる気象観測、観測2と観測3では、ドップラーライダーによる大気境界層観測、観測3ではパイロットバルーンによる風観測も実施した。観測期間中、紀伊半島沖で同時観測していた新青丸、勢水丸では海上竜巻が観測されたが、潮岬はおおむね北よりの風で、晴れまたは曇りの天候が続き、降水が観測されたのは数日であった。ゾンデ観測はおおむね高度20km弱まで観測できており、上空の西風に乗って、静岡沖まで到達、落下していた。本発表では、観測の概要と初期解析結果について紹介する。

謝辞
本研究は近畿建設協会研究助成、京都大学防災研究所一般共同研究、JSPS科研費17K19093の支援を受けた。