日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS27] 大気電気学:大気電気学研究の自然災害軽減への応用

2019年5月28日(火) 10:45 〜 12:15 202 (2F)

コンビーナ:芳原 容英(電気通信大学 大学院情報理工学研究科)、鴨川 仁(東京学芸大学教育学部物理学科)、座長:芳原 容英

11:00 〜 11:15

[MIS27-08] 非線形自己回帰ニューラルネットワークを用いた地震に先行する下部電離層異常の検出

*松木 翔1飯淵 隼人1Hendy Santosa3芳原 容英1Michael Balikhin2 (1.電気通信大学、2.University of Sheffield、3.University of Bengkulu)

地球と電離層の間を伝搬する周波数帯域10~50 kHzのVLF (Very Low Frequency)帯送信電波を観測することにより、電離層下部の状態の監視が可能であることが知られている。近年、NARX-NN(Nonlinear Auto Regressive with eXogenous Input-Neural Network)が、VLF帯送信電波振幅の時間変動の高精度のモデリング、予測手法として適用された。その結果、送信電波振幅の予測値と実測値に対して相互相関係数0.9以上という極めて高い予測精度が達成されている。一方、近年規模が大きい地震に先行して、夜間の下部電離層の擾乱を示す、 VLF帯送信電波強度の異常が報告されているが、未だ異常検出精度は高くないため,検出精度の向上が不可欠の課題である。
 そこで、本研究はNARX-NNを用いてVLF帯送信電波の夜間電界振幅を解析し、下部電離層擾乱の検出精度の向上を目的とする。また地震に先行する下部電離層擾乱に影響する外因の特定と、VLF帯電界振幅の実測値と予測値の残差を統計的に調査することで、下部電離層異常擾乱の発生機構の解明に寄与する。