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[O03-P14] 校庭の土の活用方法
キーワード:土、廃校
近年、少子化に伴い公立学校の廃校化が進んでいる。平成14年度 から平成27年度にかけて廃校になった公立学校の数は6,811校にものぼる。普段活用されていない施設は約1700校を超える。平均面積10,000㎡を超える広い運動場の土の活用方法を提案することを目的とし研究をはじめた。
研究の前に校庭がどのようにつくられているか本校、多摩科学技術高校の工事資料を確認させていただき断面図を作成した。真砂土塗装という一般的な方法で作られていて、山砂、真砂土、石灰スクリーニングスが使われていた。また砂埃が立つのを防ぐためにに苦汁(塩化カルシウム)がまかれていた。
校庭の土とほかの土の違いを調べるために培養土と畑の土と校庭の土を乾燥させ機器分析を行った。
蛍光X線分析装置
培養土、畑の土からはケイ素、鉄、アルミニウムがバランスよく含まれいた。しかし校庭の土からカルシウムが平均で50%も検出された。これは苦汁や校庭に引く石灰が原因だと考えられる。
電子顕微鏡
電子顕微鏡を用いて植物を育てるのに重要なP、N、Kについて調べた。培養土、畑の土には多く含まれていたが校庭の土にはほとんど見ることができなかった。
校庭の土と培養土の植物の生育実験をおこなった。
小松菜
7月19日にプランターに小松菜の種をまき、8月17日に収穫した。収穫した小松菜(培養土・7株 校庭・16株)の各器官の長さを測定し、それぞれの平均をグラフにまとめ、比較した。培養土のほうが発芽と成長が早く、校庭の土でも芽は出たが大きくならなかった。全長の平均で21cmの大きに違いができた。
ソルゴー
校庭の端にソルゴーを植えて、収穫した7株の全長の平均をとった。ソルゴーを植ええることで土壌中の有機物が増加し、通気・排水が改善される。根を深く張るため、硬盤を破砕し、畑の透水性、通気性をよくする。槌に残った養分を多く吸収するため、土をクリーニングする働きがある。
本来1m育つ品種だが平均で16cmしか育たなかった。また生育前に校庭を耕したが水遣りをするたびに土が固まってしまった。
強熱減量試験をおこなった。
試料を2mmのふるいにかけて粒をそろえ、るつぼの質量(g)をはかる。試料(校庭の土、畑の土、培養土)をるつぼに入れ、全質量(g)をはかる。るつぼを電気マッフル炉に入れ、徐々に加熱する。強熱停止後、るつぼをデシケータに写しほぼ室温になるまで冷ました後全質量(g)をはかる。恒量になるまで以上を繰り返す。強熱減量の数式で値を出した。
培養土は実験後灰に近い状態になり質量が大きく減った。また強熱減量の値も大きく変わり培養土は50%以上だが、畑の土と校庭の土には20%弱と差が大きく出なかった。
結果①より校庭の土から検出された多くのCaは強風時等の砂埃を抑えるために塩化カルシウムや苦汁等の散布が原因だと考えられる。 Caが多く含まれているため、土壌が強アルカリになり、マンガン、鉄、亜鉛、ホウ素などの吸収が阻害され欠乏症になることが心配される。また結果①、②より植物に必要なP、N、K、H、O、C、Ca、Mg、Sが校庭の土には少ないことがわかる。 さらに結果③より水やりの後、校庭の土が固まってしまうことから、校庭の土には団粒構造があまりなく保水力が弱いのではないかと考えた。そのため結果④で育てたソルゴー(緑肥)は1ヵ月で1m弱育つ品種なのだが、30cm以上伸びていない。砕石自体にもCaが多く含まれていたので土による影響があるのではないかと考えられる。培養土が大きく燃焼したことから、発揮製物質が多く含まれていたことがわかる。
【参考文献】
土壌分析法 - 農林水産省 廃校施設の実態とその活用状況の把握-文部科学省 土壌環境調査・分析法入門-村田智吉– 2018/8/31
(KS自然科学書ピ-ス)
4.校庭の芝生化を実現する仕組みづくり~米国現地調査から探る~宮地史章子
5.本校グランド工事報告書
研究の前に校庭がどのようにつくられているか本校、多摩科学技術高校の工事資料を確認させていただき断面図を作成した。真砂土塗装という一般的な方法で作られていて、山砂、真砂土、石灰スクリーニングスが使われていた。また砂埃が立つのを防ぐためにに苦汁(塩化カルシウム)がまかれていた。
校庭の土とほかの土の違いを調べるために培養土と畑の土と校庭の土を乾燥させ機器分析を行った。
蛍光X線分析装置
培養土、畑の土からはケイ素、鉄、アルミニウムがバランスよく含まれいた。しかし校庭の土からカルシウムが平均で50%も検出された。これは苦汁や校庭に引く石灰が原因だと考えられる。
電子顕微鏡
電子顕微鏡を用いて植物を育てるのに重要なP、N、Kについて調べた。培養土、畑の土には多く含まれていたが校庭の土にはほとんど見ることができなかった。
校庭の土と培養土の植物の生育実験をおこなった。
小松菜
7月19日にプランターに小松菜の種をまき、8月17日に収穫した。収穫した小松菜(培養土・7株 校庭・16株)の各器官の長さを測定し、それぞれの平均をグラフにまとめ、比較した。培養土のほうが発芽と成長が早く、校庭の土でも芽は出たが大きくならなかった。全長の平均で21cmの大きに違いができた。
ソルゴー
校庭の端にソルゴーを植えて、収穫した7株の全長の平均をとった。ソルゴーを植ええることで土壌中の有機物が増加し、通気・排水が改善される。根を深く張るため、硬盤を破砕し、畑の透水性、通気性をよくする。槌に残った養分を多く吸収するため、土をクリーニングする働きがある。
本来1m育つ品種だが平均で16cmしか育たなかった。また生育前に校庭を耕したが水遣りをするたびに土が固まってしまった。
強熱減量試験をおこなった。
試料を2mmのふるいにかけて粒をそろえ、るつぼの質量(g)をはかる。試料(校庭の土、畑の土、培養土)をるつぼに入れ、全質量(g)をはかる。るつぼを電気マッフル炉に入れ、徐々に加熱する。強熱停止後、るつぼをデシケータに写しほぼ室温になるまで冷ました後全質量(g)をはかる。恒量になるまで以上を繰り返す。強熱減量の数式で値を出した。
培養土は実験後灰に近い状態になり質量が大きく減った。また強熱減量の値も大きく変わり培養土は50%以上だが、畑の土と校庭の土には20%弱と差が大きく出なかった。
結果①より校庭の土から検出された多くのCaは強風時等の砂埃を抑えるために塩化カルシウムや苦汁等の散布が原因だと考えられる。 Caが多く含まれているため、土壌が強アルカリになり、マンガン、鉄、亜鉛、ホウ素などの吸収が阻害され欠乏症になることが心配される。また結果①、②より植物に必要なP、N、K、H、O、C、Ca、Mg、Sが校庭の土には少ないことがわかる。 さらに結果③より水やりの後、校庭の土が固まってしまうことから、校庭の土には団粒構造があまりなく保水力が弱いのではないかと考えた。そのため結果④で育てたソルゴー(緑肥)は1ヵ月で1m弱育つ品種なのだが、30cm以上伸びていない。砕石自体にもCaが多く含まれていたので土による影響があるのではないかと考えられる。培養土が大きく燃焼したことから、発揮製物質が多く含まれていたことがわかる。
【参考文献】
土壌分析法 - 農林水産省 廃校施設の実態とその活用状況の把握-文部科学省 土壌環境調査・分析法入門-村田智吉– 2018/8/31
(KS自然科学書ピ-ス)
4.校庭の芝生化を実現する仕組みづくり~米国現地調査から探る~宮地史章子
5.本校グランド工事報告書