13:45 〜 15:15
[O03-P51] 大阪の天気に合う観天望気とは
キーワード:気象
1.研究背景・目的
自然現象や生物の行動の様子から天気を予想する言葉や地域特有の気候を伝えるものを観天望気や天気俚諺という(以後、
観天望気)。現在の日本の天気予報は主にスーパーコンピュータを用いて予測されているが、天気予報のシステムが導入され
る前は、観天望気を用いて天気を予想していた。古代から経験則として「夕焼けの翌日は晴れる。」などが使われており、
的中率は約70%だと推定されている(オペレーションズ・リサーチ学会)。
観天望気は昔に作られた言葉なので気候変動が起こっている現代の天気には通じないものもある可能性がある。また観天
望気には全国共通のものと地域別のものがある。そこで、大阪市における観天望気の的中率を、空の様子の観察や気象デー
タから算出しようと考えた。本研究では大阪市で適用できる観天望気を選出することを目的とした。
2.方法
初めに研究の対象とする観天望気をリストアップした。そして、本校で4方位の空の様子を1日3回(授業時間の関係から
8:30,12:30,15:10)撮影し、その様子を観測した。また、それに対応する9:00,12:00,15:00の3回の大阪のアメダスのデ
ータ(天気、降水量、温度、風向、風速、湿度、気圧)を記録した。翌日以降も空の様子の観察とアメダスのデータを記録し
た。(2018年4月~2019年1月)
観天望気の条件と予想される天気が一致した場合を観天望気の「的中」として的中回数を調べた。また、観天望気の的中
率を算出した。そして、観天望気の的中率が高いものを大阪市で適用できる観天望気に選出した。
3.結果
①「夕焼けは晴れ」
本研究では「夕焼け」の条件を「15時のアメダスで観測された天気が晴れの場合」とした。そのうち、翌日天気を観測す
る3回のうち1回でも「晴れ」または「快晴」が観測されれば的中として、的中率を算出した。15時に「晴れ」・「快晴」が
観測されたのは113回、そのうち翌日「晴れ」は75回観測され、的中率は66.4%となり、観天望気の期待値に近い結果にな
った。
②「四方に雲なきは3日の雨」
「四方に雲なき」の条件は、「空の様子の観察で4方位ともに雲が見られなかった場合」として、そこから3日以内に雨が
降った場合に的中とした。「四方に雲なき」は14回、そのうち3日以内に雨が降ったのは6回で、的中率は42.9%だった。
また、「四方に雲なき」は「快晴」だと解釈することができるため、条件を「アメダスで快晴が観測された場合」にして
的中率を算出した。すると、快晴が130回観測され、そのうち、快晴が観測された後3日以内に雨が46回観測され、的中率
は35.4%となった。
③「夏の南風は晴れ」
「南風」の条件は16方位での「南東」~「南西」の風が観測され、その後1日以内に晴れた場合に的中とした。この時の
「晴れ」とは、「晴れ」または「快晴」が観測された場合を示す。全体において、「南風」が214回観測され、その後1日
以内に「晴れ」たのは149回で的中率は69.6%だった。
これらの観天望気の月別の的中率や考察についてはポスターセッションで詳しく発表する。
4.考察
結果から、「夕焼けは晴れ」・「夏の南風は晴れ」のような的中率が推定的中率に近い、またはそれ以上の観天望気は大
阪では適用できると考えた。
5.今後の課題
現在の大阪における的中率の高い他の観天望気を見つけることや、観天望気を今の天気に合ったものに作り替えること
で、天気予報とともに天気の予測に用いる。そのために、多くの観天望気の的中率を調べることや、大阪の天気の傾向をア
メダスのデータや空の様子から見つけることが必要だと考える。
本研究では、8:30,12:30,15:10の空の写真および9:00,12:00,15:00のアメダスのデータを使用した。「夕焼け」、
「朝」などそれぞれの観天望気で判断の基準とされている時間帯に観測し、より精度の高い的中率を調べる必要がある。
自然現象や生物の行動の様子から天気を予想する言葉や地域特有の気候を伝えるものを観天望気や天気俚諺という(以後、
観天望気)。現在の日本の天気予報は主にスーパーコンピュータを用いて予測されているが、天気予報のシステムが導入され
る前は、観天望気を用いて天気を予想していた。古代から経験則として「夕焼けの翌日は晴れる。」などが使われており、
的中率は約70%だと推定されている(オペレーションズ・リサーチ学会)。
観天望気は昔に作られた言葉なので気候変動が起こっている現代の天気には通じないものもある可能性がある。また観天
望気には全国共通のものと地域別のものがある。そこで、大阪市における観天望気の的中率を、空の様子の観察や気象デー
タから算出しようと考えた。本研究では大阪市で適用できる観天望気を選出することを目的とした。
2.方法
初めに研究の対象とする観天望気をリストアップした。そして、本校で4方位の空の様子を1日3回(授業時間の関係から
8:30,12:30,15:10)撮影し、その様子を観測した。また、それに対応する9:00,12:00,15:00の3回の大阪のアメダスのデ
ータ(天気、降水量、温度、風向、風速、湿度、気圧)を記録した。翌日以降も空の様子の観察とアメダスのデータを記録し
た。(2018年4月~2019年1月)
観天望気の条件と予想される天気が一致した場合を観天望気の「的中」として的中回数を調べた。また、観天望気の的中
率を算出した。そして、観天望気の的中率が高いものを大阪市で適用できる観天望気に選出した。
3.結果
①「夕焼けは晴れ」
本研究では「夕焼け」の条件を「15時のアメダスで観測された天気が晴れの場合」とした。そのうち、翌日天気を観測す
る3回のうち1回でも「晴れ」または「快晴」が観測されれば的中として、的中率を算出した。15時に「晴れ」・「快晴」が
観測されたのは113回、そのうち翌日「晴れ」は75回観測され、的中率は66.4%となり、観天望気の期待値に近い結果にな
った。
②「四方に雲なきは3日の雨」
「四方に雲なき」の条件は、「空の様子の観察で4方位ともに雲が見られなかった場合」として、そこから3日以内に雨が
降った場合に的中とした。「四方に雲なき」は14回、そのうち3日以内に雨が降ったのは6回で、的中率は42.9%だった。
また、「四方に雲なき」は「快晴」だと解釈することができるため、条件を「アメダスで快晴が観測された場合」にして
的中率を算出した。すると、快晴が130回観測され、そのうち、快晴が観測された後3日以内に雨が46回観測され、的中率
は35.4%となった。
③「夏の南風は晴れ」
「南風」の条件は16方位での「南東」~「南西」の風が観測され、その後1日以内に晴れた場合に的中とした。この時の
「晴れ」とは、「晴れ」または「快晴」が観測された場合を示す。全体において、「南風」が214回観測され、その後1日
以内に「晴れ」たのは149回で的中率は69.6%だった。
これらの観天望気の月別の的中率や考察についてはポスターセッションで詳しく発表する。
4.考察
結果から、「夕焼けは晴れ」・「夏の南風は晴れ」のような的中率が推定的中率に近い、またはそれ以上の観天望気は大
阪では適用できると考えた。
5.今後の課題
現在の大阪における的中率の高い他の観天望気を見つけることや、観天望気を今の天気に合ったものに作り替えること
で、天気予報とともに天気の予測に用いる。そのために、多くの観天望気の的中率を調べることや、大阪の天気の傾向をア
メダスのデータや空の様子から見つけることが必要だと考える。
本研究では、8:30,12:30,15:10の空の写真および9:00,12:00,15:00のアメダスのデータを使用した。「夕焼け」、
「朝」などそれぞれの観天望気で判断の基準とされている時間帯に観測し、より精度の高い的中率を調べる必要がある。