日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

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[O-03] 高校生によるポスター発表

2019年5月26日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、道林 克禎(名古屋大学大学院環境学研究科地球環境科学専攻地質・地球生物学講座岩石鉱物学研究室)、久利 美和(東北大学災害科学国際研究所)、山田 耕(早稲田大学政治経済学術院)

13:45 〜 15:15

[O03-P72] 福井地震断層の探究Ⅶ

*永田 修康1、*吉澤 卓馬1、梅田 慎太郎1、大東 怜司1、田嶋 真寛1、久保田 琉仁1 (1.福井県立藤島高等学校)

キーワード:福井平野東縁断層帯、S波偏向異方性、後続波(コーダ波)、走時解析

福井地震発生から71年が経ち、数々の苦難を乗り越えて、惨状から復興し、今の福井がある。この先、かつての悲劇を繰り返さないためには ――。

 1948年、マグニチュード7.1を記録した福井地震は、福井県に甚大な被害をもたらした。日本初の近代都市直下型地震であった。死者は3769人にも及び、震度7導入のきっかけにもなった。

 福井地震を引き起こした福井平野東縁断層帯をはじめとして、福井県付近には活断層も多く存在している。そのような福井平野の地下構造はまだまだ未知の点も多く、それを地震波の解析を通じて明らかにすることが、この研究の目的である。最終的には、福井県での防災にもつなげていきたいと考えている。また、この研究は、本校で6年間続いてきたものを引き継いだ研究であり、私たちの代で7年目となった。現在は、福井平野東縁断層帯付近の観測点6か所で地震波を観測している。

私たちの研究では、主に下記の3点について調べた。

(1)震源決定。研究の基礎となる地震データの蓄積のために、Win-systemを用いて集められた地震波のデータから、震源を決定した。今年度新しく決定した震源の数は47個で、7年間の累計では319個となっている。

(2)S波の最初の振動方向を用いた各観測点下の地下構造の推定。地震波形のデータから作成したホドグラフで、S波の最初の振動方向を特定した。それを用いて、観測点下のクラック等の存在を推定した。今年度は、昨年度までとは異なる傾向も見られたため、それについての考察も行った。

(3)後続波の走時解析による福井平野東縁断層破砕帯の構造の考察。私たちの観測網では、福井平野東縁断層帯内に位置する2つの観測点において、S波到達後に顕著な後続波の発生が確認されている。先輩の研究では、これは断層帯の延長線上で発生した地震の地震波が、断層に臨界角を超えて到達し、全反射することで発生すると考え、さらに、スペクトル解析によってS波と後続波の起源が同じであると結論づけている。このことを基に、私たちは断層帯の南北で発生した地震のS波と後続波の到達時刻の差を読み取り(走時解析)、それを基にして福井平野東縁断層破砕帯の構造について考察した。