日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-AE 天文学・太陽系外天体

[P-AE20] 系外惑星

2019年5月26日(日) 10:45 〜 12:15 105 (1F)

コンビーナ:生駒 大洋(東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻)、成田 憲保(東京大学)、座長:生駒 大洋(東京大学)、成田 憲保(東京大学)

11:45 〜 12:00

[PAE20-11] 潮汐固定された地球型水惑星の気候

*小玉 貴則1 (1.ボルドー大学 )

キーワード:系外ハビタブル惑星

多くのハビタブル惑星に関する研究は、ハビタブルゾーンの境界を決めることに焦点が当てられている。近年の系外惑星観測により、低温度星周りの地球質量からスーパーアース質量の惑星たちのハビタビリティが議論されている。それらは、中心星に近いため、中心星の潮汐力により、惑星の自転が潮汐固定されている。

近年、3次元大気大循環モデルを用いた気候推定が始まってきており、1次元気候モデルを用いて見積もられたハビタブルゾーンとは大きく異なることがわかってきた。最も大きな違いは、雲分布である。低温度星回りの水を保持した地球型惑星は、太陽直下点付近で高高度に雲を形成するため、高アルベドをもたらす。その結果、1次元気候モデルでの見積もられたハビタブルゾーンの外側でも、温暖な気候を維持することが示された。しかしながら、惑星の公転周期が十分に短い場合、大気循環パターンがsuper-rotationに変化するため、そのような雲は形成されない.

TRAPPIST-1 dとProxima Centauri bを例として、大気循環とハビタビリティを検討した。また、気候と惑星の水分布には強い関係があるため、惑星の水分布を変えた場合、雲形成にどのような影響があるか検討した。