日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-AE 天文学・太陽系外天体

[P-AE20] 系外惑星

2019年5月26日(日) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:生駒 大洋(東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻)、成田 憲保(東京大学)

[PAE20-P04] 系外惑星探査のためのライマンα線望遠鏡LAICA2の検討

*村岡 徹1村上 豪2亀田 真吾1 (1.立教大学、2.宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)

キーワード:系外惑星、光学設計

現在、地球に似た系外惑星探査のターゲットとして、太陽より温度が低く・質量も小さい恒星の周りを回る惑星が注目されている。このような条件下にある小質量惑星は、主星が大きすぎないためにトランジット観測によって検出できる可能性がある。
さらに、極端紫外線(EUV)放射が強い恒星の周りを回っており、かつ酸素濃度の高い惑星では、酸素原子が非常に高高度まで広がることが示されている[Kulikov et al., 2007, Tian et al., 2008b]。
このことから、地球のような環境の系外惑星を検出する手段として、酸素輝線での波長でトランジットによる観測を行うことが有効であると考えられている。
しかし、酸素原子の広がりを見積もるのに必要な情報であるEUV量を直接観測することはできない。そこで、恒星の測定可能なライマンα線量からEUVスペクトルを推定できること[Linsky et al., 2014]を利用することとした。
超小型深宇宙探査機PROCYONには、ライマンα線望遠鏡LAICA(Lyman Alpha Imaging CAmera)が搭載されている。本研究では、このLAICAの設計を基にして遠方の恒星からのライマンα線量を測定できる望遠鏡LAICA2の設計を行った。
LAICAは地球近傍の広範囲を観測対象としていたのに対し、LAICA2は数画素以内に収まるほどの遠方の恒星を観測対象とする。このため、主鏡と副鏡の両方を球面形状としていたLAICAとは異なり、LAICA2では主鏡を楕円面形状とすることで、集光性能を維持しながら焦点距離を1.5倍に伸ばすように光学設計を行った。
さらに、光学設計の段階で意図していない光(迷光)を、その光路を遮るようにバッフルを設計することで削減した。その上で内部反射や光学系内での散乱による迷光を評価し、最終的にLAICA2の観測において迷光の影響は無視できることを確認した。
本発表では、上記の研究成果を報告する。