10:05 〜 10:20
[PCG21-05] 深宇宙探査技術実証機DESTINY+に搭載するダストアナライザDDAの開発と期待されるサイエンス
キーワード:惑星間塵、星間塵、小惑星3200フェートン、衝突電離、飛行時間型質量分析計、ダスト分析器
2023年打ち上げ予定の宇宙航空研究開発機構/宇宙科学研究所(JAXA/ISAS)が主導する深宇宙探査技術実証機Demonstration and Experiment of Space Technology for INterplanetary voYage, Phaethon fLyby and dUst Science (DESTINY+)では、電気推進による宇宙航行技術の発展や、小天体探査を対象とした先進的フライバイ探査技術の獲得といった工学的ミッションに加え、活動小惑星3200 Phaehonの高速フライバイ撮像観測と惑星間空間およびPhaethonフライバイ時のダスト観測という2つの理学ミッションを掲げている。本講演では、ダスト観測に用いるダストアナライザーDESTINY+ Dust Analyzer (DDA)の測定原理や探査機搭載機器としての特徴、DESTINY+ミッションで目指すサイエンスを紹介する。
DDAは、米国航空宇宙局NASAの土星探査機Cassiniに搭載されたダストアナライザCosmic Dust Analyzer (CDA)を技術ヘリテージとして持つ、飛行時間型質量分析機能 (TOF-MS)を備えたダスト検出器である。DDAの開発主体はドイツ・シュトゥットガルト大学のグループであり、千葉工業大学惑星探査研究センターは、DDAの開発においては探査機とのインターフェース調整、探査計画の検討、ダストサイエンスのリードなどを担当している。
惑星間ダストや星間ダストが秒速1 km以上の超高速でDDAセンサ内部のターゲット面に衝突すると陰陽イオンと電子からなるプラズマが生成される。センサ内部に形成した電場によりこれらの荷電粒子を分離し、TOF-MSによって検出ダストの組成を推定する。従来、ダストアナライザーは陰陽どちらかのイオンのみを検出する方式だったが、DDAでは電場極性を逆にしたセンサを2台搭載し、軌道など同一観測条件下で陰陽イオンを同時に測定し、より幅広い元素分析の実現を目標としている。また、ダスト分布モデルから予想される最もフラックスが期待される方向にセンサを向けられるよう、二軸ジンバルを実装予定である。
DESTINY+が金星軌道と地球軌道の間を約2年クルージング飛行する間、DDAは小惑星や彗星を起源とする惑星間ダストと星間ダストの観測を行う。そしてPhaethonとフライバイする際は、惑星間ダストが衝突することでPhaethonから放出される放出粒子の検出・組成分析も試みる。
DDAは、米国航空宇宙局NASAの土星探査機Cassiniに搭載されたダストアナライザCosmic Dust Analyzer (CDA)を技術ヘリテージとして持つ、飛行時間型質量分析機能 (TOF-MS)を備えたダスト検出器である。DDAの開発主体はドイツ・シュトゥットガルト大学のグループであり、千葉工業大学惑星探査研究センターは、DDAの開発においては探査機とのインターフェース調整、探査計画の検討、ダストサイエンスのリードなどを担当している。
惑星間ダストや星間ダストが秒速1 km以上の超高速でDDAセンサ内部のターゲット面に衝突すると陰陽イオンと電子からなるプラズマが生成される。センサ内部に形成した電場によりこれらの荷電粒子を分離し、TOF-MSによって検出ダストの組成を推定する。従来、ダストアナライザーは陰陽どちらかのイオンのみを検出する方式だったが、DDAでは電場極性を逆にしたセンサを2台搭載し、軌道など同一観測条件下で陰陽イオンを同時に測定し、より幅広い元素分析の実現を目標としている。また、ダスト分布モデルから予想される最もフラックスが期待される方向にセンサを向けられるよう、二軸ジンバルを実装予定である。
DESTINY+が金星軌道と地球軌道の間を約2年クルージング飛行する間、DDAは小惑星や彗星を起源とする惑星間ダストと星間ダストの観測を行う。そしてPhaethonとフライバイする際は、惑星間ダストが衝突することでPhaethonから放出される放出粒子の検出・組成分析も試みる。