[PCG21-P02] 機械学習を用いたフラッシュオーロラの時空間解析
キーワード:畳み込みニューラルネットワーク、脈動オーロラ、フラッシュオーロラ
オーロラは宇宙空間に存在する高エネルギー荷電粒子の一部が磁力線に沿って移動し、地球上層大気と衝突することで発光する現象である。つまり、オーロラの地上観測により、間接的に磁気圏に存在している電子の様相を知ることができる。私たちはオーロラの中でも、一秒以下で突発的に発光するフラッシュオーロラに注目している。フラッシュオーロラは、その発光時間の短さから目視による大量のイベント検出が難しく、詳細な解析は行われていない。よって、本研究では、EMCCDカメラで観測されたフラッシュオーロラを機械学習によって自動検出し、時空間変動の統計解析を行った。観測データはガコナ (アメリカ・アラスカ州) に設置されたEMCCDカメラ(サンプリング100 Hz、解像度 256 * 256 ピクセル)を用いた。
本研究で用いた機械学習の手法は、画像認識に特に優れている畳み込みニューラルネットワーク (CNN) である。学習データは、EMCCD画像の南北断面を切り出して時系列に並べたKeogram 画像(解像度2400 * 720 ピクセル、時間幅1 分間)を正方形のブロック(解像度30 * 30 ピクセル、時間幅0.75 秒間)に分割し、目視で分類したものを学習データとして使用した。分類は、脈動オーロラ、フラッシュオーロラ、雑音、オーロラ・雑音共になしの4 種類とした。今回作成した学習ネットワークを使用して、テストデータを分類したところ、その精度は91.2%であった。
作成した学習器によって集めたフラッシュオーロラのイベント (約100イベント) について、代表的な二値化手法である大津の二値化を用いて領域抽出を行なった。フラッシュオーロラの発光継続時間、発光地点、空間サイズ、空間分布について統計解析を行なった。まず、発光継続時間はEMCCDカメラ視野内の磁気緯度、磁気経度に依存しておらず、平均0.21±0.08秒だった。また、観測されたフラッシュオーロラを磁気赤道に投影すると、全イベントのうちの約70 %が地球側に向けて平均0.027 Re大きく拡大していることが確認できた。この結果は、波動の伝搬角や磁気圏におけるロスコーンの空間分布の不均一性が関係していると考えられる。
本発表では私たちが開発したフラッシュオーロラの自動検出法とその時空間解析結果について詳細に報告する予定である。
本研究で用いた機械学習の手法は、画像認識に特に優れている畳み込みニューラルネットワーク (CNN) である。学習データは、EMCCD画像の南北断面を切り出して時系列に並べたKeogram 画像(解像度2400 * 720 ピクセル、時間幅1 分間)を正方形のブロック(解像度30 * 30 ピクセル、時間幅0.75 秒間)に分割し、目視で分類したものを学習データとして使用した。分類は、脈動オーロラ、フラッシュオーロラ、雑音、オーロラ・雑音共になしの4 種類とした。今回作成した学習ネットワークを使用して、テストデータを分類したところ、その精度は91.2%であった。
作成した学習器によって集めたフラッシュオーロラのイベント (約100イベント) について、代表的な二値化手法である大津の二値化を用いて領域抽出を行なった。フラッシュオーロラの発光継続時間、発光地点、空間サイズ、空間分布について統計解析を行なった。まず、発光継続時間はEMCCDカメラ視野内の磁気緯度、磁気経度に依存しておらず、平均0.21±0.08秒だった。また、観測されたフラッシュオーロラを磁気赤道に投影すると、全イベントのうちの約70 %が地球側に向けて平均0.027 Re大きく拡大していることが確認できた。この結果は、波動の伝搬角や磁気圏におけるロスコーンの空間分布の不均一性が関係していると考えられる。
本発表では私たちが開発したフラッシュオーロラの自動検出法とその時空間解析結果について詳細に報告する予定である。