[PCG21-P07] 超小型探査機に搭載する極端紫外撮像装置に用いる電気回路部の放射線耐性の評価
飛翔体搭載機器に用いられる電子機器は、宇宙空間の放射線に曝されることでノイズの増加、ビット反転、消費電流の増加、などの悪影響を受ける恐れがある。
近年、大学の研究室規模で超小型探査機の開発が実現している。超小型の枠組みでは、民生部品を用いることで開発にかかる費用と時間を大幅に低減することで、短期間でのミッションの実現を可能にしている。しかし、一般の民生部品は放射線耐性を考慮した設計がなされていないため、飛翔体搭載に用いる際には実際の利用環境を再現した試験を通して確認する必要がある。この時、照射するべき総吸収線量は、放射線と物体の物理的な相互作用を考慮したエネルギー収支に関するモンテカルロシミュレーションから求められる。
我々は、2020年に打ち上げ予定の超小型衛星EQUULEUSに搭載される極端紫外撮像機「PHOENIX」を開発している。「PHOENIX」は、地球のプラズマ圏を構成するヘリウム一価イオンが太陽共鳴散乱によって発する極端紫外領域の輝線(波長30.4nm)を月近傍から準定常的に観測することで、プラズマ圏の動的描像と大局的な理解を目指す。この装置に搭載される信号増幅回路部に用いられる半導体素子の放射線耐性を、セシウム137を用いたガンマ線照射装試験を通して評価した。
本発表では、累積放射線量による半導体素子の利得率特性の変化と電気ノイズレベルの変化について評価した結果を述べ、今後の飛翔体ミッションへの応用可能性について議論する。
近年、大学の研究室規模で超小型探査機の開発が実現している。超小型の枠組みでは、民生部品を用いることで開発にかかる費用と時間を大幅に低減することで、短期間でのミッションの実現を可能にしている。しかし、一般の民生部品は放射線耐性を考慮した設計がなされていないため、飛翔体搭載に用いる際には実際の利用環境を再現した試験を通して確認する必要がある。この時、照射するべき総吸収線量は、放射線と物体の物理的な相互作用を考慮したエネルギー収支に関するモンテカルロシミュレーションから求められる。
我々は、2020年に打ち上げ予定の超小型衛星EQUULEUSに搭載される極端紫外撮像機「PHOENIX」を開発している。「PHOENIX」は、地球のプラズマ圏を構成するヘリウム一価イオンが太陽共鳴散乱によって発する極端紫外領域の輝線(波長30.4nm)を月近傍から準定常的に観測することで、プラズマ圏の動的描像と大局的な理解を目指す。この装置に搭載される信号増幅回路部に用いられる半導体素子の放射線耐性を、セシウム137を用いたガンマ線照射装試験を通して評価した。
本発表では、累積放射線量による半導体素子の利得率特性の変化と電気ノイズレベルの変化について評価した結果を述べ、今後の飛翔体ミッションへの応用可能性について議論する。