日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-CG 宇宙惑星科学複合領域・一般

[P-CG21] 宇宙・惑星探査の将来計画と関連する機器開発の展望

2019年5月26日(日) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:尾崎 光紀(金沢大学理工研究域電子情報学系)、笠原 慧(東京大学)、亀田 真吾(立教大学理学部)、吉岡 和夫(東京大学大学院新領域創成科学研究科)

[PCG21-P10] 小型衛星用衝撃試験機の建造及びMCPの機械耐性評価

*福場 惇哉1 (1.東京大学大学院)

キーワード:衝撃試験

近年小型衛星の開発が盛んに行われている。開発段階における環境試験は、小型衛星の信頼性向上に重要な役割を担っている。環境試験では振動や衝撃、熱真空などに対する耐性を確認する必要がある。その中でも衝撃に関する試験は最も実施が困難な試験の一つであり、未だ確実な手法が確立されていない。こうした背景から私たちは小型衛星用の衝撃試験機を建造した。衝撃試験機に求められる性能は大きく二つある。一つは、想定するミッションの衝撃レベルに限りなく近い衝撃を印加することのできるコントロール性である。これは試験対象への過度な衝撃印加を回避するために重要である。二つ目は、狙った衝撃レベルを高い精度で複数回印加することのできる再現性である。再現性が低いと、印加したい衝撃レベルとは異なった意図しない衝撃を印加してしまう可能性があり、試験精度の低下に繋がる。今回建造した衝撃試験機は、印加する衝撃を容易に調整することが可能であり、且つ再現性の高いものを目指し設計した。更にこの衝撃試験機を用いて、光学観測機器に広く用いられるMCP (micro-channel plate)をサンプルとした衝撃試験を実施し、その機械耐性を調べた。ここで用いた衝撃レベルは、2020年にNASAのロケットで打ち上げられるEQUULEUSミッションを想定した衝撃レベルである。今回の発表では、衝撃試験機の詳細及びサンプルを用いた衝撃試験の結果について紹介する。