[PCG21-P15] 6Uクラス超小型深宇宙探査機EQUULEUSに搭載する多層断熱材一体型ダスト計測器CLOTHの開発
キーワード:圧電性フィルム、ポリフッ化ビニリデン、多層断熱材、超小型衛星、微隕石、超高速衝突
近年、超小型衛星の利用範囲は地球周回から深宇宙へ広がりを見せている。東京大学とJAXAが開発を主導する超小型新宇宙探査機EQUilibriUm Lunar-Earth point 6U Spacecraft (EQUULEUS)は、米国航空宇宙局(NASA)の新規ロケットSpace Launch System (SLS) の副ペイロードとして打ち上げられる13基の超小型衛星の一つで、地球-月ラグランジュ点(L2)への航行を通じた太陽-地球-月圏での軌道操作技術の実証と、3つの理学ミッションを行う予定である。ジオコロナ観測と月衝突閃光観測に加え、我々はCis-Lunar Object detector within THermal Insulation (CLOTH) を用い、惑星間ダスト観測を行う。CLOTHは、EQUULEUSの表面の一部を覆う多層断熱材 (Multi-Layer Insulation, MLI) と一体化した圧電性フィルムセンサで、MLIの最外層を貫通してくるダストの運動量を推定する。CLOTHの宇宙実証が成功することで、リソースの限られた超小型衛星による深宇宙探査の可能性がより拡大すると期待される。本講演では、衛星そのものに科学観測機能を付与するというCLOTHのコンセプトと、超高速微粒子衝突実験から得られたCLOTHのダスト検出性能について紹介する。