[P-CG24] アルマによる惑星科学の新展開

[PCG24-08] ダスト連続波分布とSEDが示唆する原始星V1094 Sco の原始惑星系円盤の構造

*高橋 実道^1,2、武藤 恭之¹、塚越 崇²、橋本 淳² (1.工学院大学、2.国立天文台)

キーワード：原始惑星系円盤

原始惑星系円盤の面密度分布や温度分布は、惑星形成環境を理解する上で重要となる。近年、ALMA望遠鏡などで円盤の高分解能観測が行われ、リング構造などの詳細構造が多数発見されている。そのため、円盤の面密度分布や温度分布などの物理状態の理解がますます重要になっている。ここでは、Tタウリ型星V1094Sco の周囲の原始惑星系円盤の注目する。これは、近年リング構造が観測され、注目されている円盤である。本研究では、V1094Scoの周囲の原始惑星系円盤について、輻射輸送計算とALMA Band 8 のダスト連続波の観測およびSEDの比較から、円盤の構造を調べた。その結果、ダスト連続波分布を再現するためには、円盤は半径 〜100 au 以内で光学的に厚く、半径 〜100 au 以上では光学的に薄くなるような２領域からなることがわかった。また、（１）円盤内縁付近（〜0.1 au）で円盤が厚くなり、その後ろに中心星からの輻射に対する影を作り、（２）ダスト連続波で明るい領域（<100 au）で小さなダスト(<1um)の量が減少している、という２点が満たされている場合に観測と輻射輸送計算のSEDがよく一致することが分かった。