日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM12] Space Weather and Space Climate

2019年5月28日(火) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:片岡 龍峰(国立極地研究所)、Antti A Pulkkinen(NASA Goddard Space Flight Center)、草野 完也(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、坂口 歌織(情報通信研究機構)

[PEM12-P13] 黎明期の宇宙天気予報資料:手書きの現象記録表

*坂口 歌織1塩田 大幸1福永 香1丸橋 克英1石橋 弘光1久保 勇樹1石井 守1 (1.情報通信研究機構)

キーワード:宇宙天気アーカイブ、ウルシグラム

本発表では, 元郵政省 電波研究所 平磯支所 超高層研究室(現在の国立研究開発法人 情報通信研究機構 電磁波研究所 宇宙環境研究室)で, 今から約40年前の1978年から1998年まで電波警報業務の遂行のために作成されていた手書きの「現象記録表(solar activity chart)」について紹介する. 現象記録表には, 太陽表面における黒点や爆発現象の発生と推移・日本の地磁気・宇宙線および短波伝搬などへの影響が, 当時の記録者のコメントやスケッチと共に記録さている. 期間は太陽活動サイクル21から22の約20年間に該当する. バーテルス太陽回転周期番号ごとに太陽から地上までのデータが1枚のチャート紙に図示され,太陽面現象と磁気圏・電離圏擾乱の因果関係や回帰性を把握する資料として利用されていた. 記録表に示されている内容は, 主に平磯での独自の観測データとテレックス端末でURSIgramコードとして入電した国内外からデータである. 各観拠点からは多くても1日に1回のみの入電ではあったが, これはインターネットの普及していなかった当時の最速のリアルタイムデータの蓄積と考えられる. 現在, 我々は現象記録表とそこに示されているデータのデジタル化を行なっている. 現象記録表に示されているデータを元に, 当時どの程度のリアルタイム性のあるどのようなデータを元に電波警報を発令していたかを分析した結果と共に, 当時の太陽フレア・地磁気擾乱予報について検証した結果についても紹介する.