日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS05] Recent advances of Venus science

2019年5月27日(月) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:佐藤 毅彦(宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究本部)、堀之内 武(北海道大学地球環境科学研究院)、山本 勝(九州大学応用力学研究所)、Kevin McGouldrick(University of Colorado Boulder)

[PPS05-P07] あかつき搭載IR1から明らかにする金星雲の全球変動

*高木 聖子1岩上 直幹高橋 幸弘1佐藤 光輝1 (1.北海道大学大学院理学研究院)

キーワード:金星、雲、近赤外

金星は地球とほぼ同じ大きさ・密度を持ち、太陽系形成時には互いに似た惑星として誕生したと考えられているが、90気圧もの二酸化炭素大気や全球を一様に覆う硫酸雲の存在など地球とは全く異なる様相を見せる。
金星探査機あかつき(JAXA)は、2015年12月に金星周回軌道投入に成功した。あかつきは複数波長による撮像観測を行い、金星気象の3次元的理解を目指す。搭載された近赤外カメラIR1は、軌道投入後約1年間、近赤外波長0.90 umにおける金星昼面撮像を行った。大気の窓領域である近赤外波長を用いた金星昼面撮像観測では、雲の光学的厚さの増減を金星表面のコントラストとしてとらえることができる[Takagi and Iwagami. 2011]。木星探査機Galileo/SSI (NASA)により得られた金星昼面近赤外画像(0.986 um)では、金星表面のコントラストはわずか3 %と示されている[Belton et al., 1991]が、IR1はかつて木星探査機Galileo/SSIが得たものと整合的な昼面画像を多数取得している。本研究では、IR1が取得した0.90 um昼面画像から雲の変動傾向を全球的に知る。合わせてVenus Express(ESA)搭載赤外分光計SOIRから得られた金星高高度の雲情報[Takagi et al. in rev.]を反映した放射輸送計算を近赤外波長において実行し、雲変動に寄与する金星の気象変化について考察する。さらに北海道大学が所有するピリカ望遠鏡を用いた同波長領域における観測計画を紹介する。