日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS06] 惑星科学

2019年5月27日(月) 09:00 〜 10:30 A01 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:黒崎 健二(名古屋大学大学院 理学研究科 素粒子宇宙物理学専攻)、仲内 悠祐(宇宙航空研究開発機構)、座長:倉本 圭(北海道大学)、佐々木 貴教(京都大学大学院理学研究科宇宙物理学教室)

09:15 〜 09:30

[PPS06-02] 火星衛星探査計画MMX:目指す科学とその推進

*倉本 圭1,2川勝 康弘2藤本 正樹2Jean Pierre Bibring3David Lawrence4玄田 英典5平田 成6今村 剛7亀田 真吾8松本 晃治9宮本 英昭7諸田 智克10長岡 央2中川 広務11中村 智樹11小川 和律12大嶽 久志2尾崎 正伸2佐々木 晶13千秋 博紀14橘 省吾7,2寺田 直樹11臼井 寛裕2和田 浩二14渡邊 誠一郎10MMX study team (1.北海道大学、2.JAXA、3.IAS、4.APL、5.ELSI、6.会津大学、7.東京大学、8.立教大学、9.国立天文台、10.名古屋大学、11.東北大学、12.神戸大学、13.大阪大学、14.千葉工業大学)

キーワード:MMX、サンプルリターン、フォボス、ダイモス、火星、初期太陽系

はやぶさ2に続くわが国のサンプルリターンミッションである火星衛星探査計画MMXは、2024年打ち上げ、2029年地球帰還を目標に、急ピッチで開発移行に向けた準備が進められつつある。MMXは近接観測とサンプルリターンにより、火星衛星の起源を解明する。そして両衛星が、火星史の初期に形成し、それ以後、火星近傍に寄り添ってきた天体であることを活かして、衛星の調査と火星大気の並行観測から、惑星科学の大目標である、水と大気を保有するハビタブル惑星の形成と成り立ちに迫る。特に、火星表層の地質記録のみからでは得難い、かつてハビタブル環境を保有したとされる火星の形成と初期進化、初期太陽系における外惑星領域から内惑星領域への揮発性物質輸送過程に光を当てる。MMXには望遠カメラ、多色カメラ、赤外分光イメージャ、ガンマ線・中性子分光計、レーザー測距計、ダストモニタ、イオン質量分析計、サンプラが搭載される。また衛星表層の物理状態や物質組成をその場調査する、小型ローバの搭載も検討が進んでいる。MMXの個々の科学目標の達成には、機器を跨いだデータ解析、試料分析、理論検討の学際的な相互作用が重要である。そこで各機器開発チームとデータサイエンス、分析、理論研究者を跨ぐサブサイエンスチームを編成し、MMXの初期サイエンス成果の創出と、それに向けた、観測・データ解析・試料分析の準備、理論研究、既存の遠隔観測データの解析を進める体制を構築しつつある。