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[PPS06-29] ダストから直接合体成長による惑星形成の理論的研究
キーワード:惑星形成、原始惑星系円盤
原始惑星系円盤のダストが集積して惑星が形成されたと信じられている。衝突・合体のくりかえしによるダスト成長には様々な困難が指摘されていたが、近年の研究でこれらの困難は克服されつつある。また、微惑星サイズにまで成長した後はその場成長が卓越すると長らく考えられていたが、これには形成時間が長すぎる等の困難があることが指摘されている。一方、内側円盤での微惑星から惑星への成長中にも、外側円盤で遅れて起こるダスト成長が寄与することが示唆されてきた。しかし、これらの効果を包括的に議論するには、原始惑星系円盤全体でダストから惑星までの成長を取り扱う非常に大規模なシミュレーションが必要になる。本研究では、ダストの空隙進化モデルを用いて、簡単のため衝突・破壊を無視した100AU程度の原始惑星系円盤の中でのダストから惑星までの大規模シミュレーションを行った。その結果、過去の研究で示されていたように、ダストの成長が起こり十分大きな微惑星ができ、微惑星は暴走成長を起こし、原始惑星を形成する。外側円盤から内側円盤へ小石大の天体の流入が続くが、過去の研究で指摘されたほど、原始惑星成長への寄与は大きくない。最終的には惑星サイズまで最大天体は大きくなる。この結果、世界で初めて、ダストから惑星までの直接合体による形成をシミュレーションにより示すことに成功した。また、この結果は惑星だけでなく小惑星サイズの天体のサイズ分布の議論も可能にする。