14:45 〜 15:00
[SCG48-31] ゲルの摩擦実験における微動とゆっくりすべりを伴う破壊核形成過程
キーワード:ゆっくりすべり、微動、アナログ実験、ゲル
我々はこれまで,ゲルと呼ばれるやわらかい弾性体を用いた摩擦実験を通して,速いすべりとゆっくりすべりの共存,GR則,サイズ-持続時間スケーリング,スーパーシアー破壊など,実際の地震現象との類似性を見出してきた.
本研究では,破壊核形成過程の詳細な観察を行ったところ,ゆっくりすべりと微動が同期して発生していることが分かった.また,駆動速度をさまざまに変えて摩擦実験を行った結果,ゆっくりすべりの継続時間が駆動速度の-0.33乗に比例していることが分かった.本研究で用いたゲルは,低すべり速度で速度強化,高すべり速度で速度弱化を示す非単調な摩擦構成関係に従うが,このべき的な振る舞いは,摩擦力が極大となる臨界速度とは無関係に決まることを示唆している.数値計算との比較によって,摩擦構成関係と巨視的なすべり挙動との関連を明らかにするとともに,プレート境界での実現可能性についても議論したい.
本研究では,破壊核形成過程の詳細な観察を行ったところ,ゆっくりすべりと微動が同期して発生していることが分かった.また,駆動速度をさまざまに変えて摩擦実験を行った結果,ゆっくりすべりの継続時間が駆動速度の-0.33乗に比例していることが分かった.本研究で用いたゲルは,低すべり速度で速度強化,高すべり速度で速度弱化を示す非単調な摩擦構成関係に従うが,このべき的な振る舞いは,摩擦力が極大となる臨界速度とは無関係に決まることを示唆している.数値計算との比較によって,摩擦構成関係と巨視的なすべり挙動との関連を明らかにするとともに,プレート境界での実現可能性についても議論したい.