日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG58] 脆性延性境界と超臨界地殻流体:島弧地殻エネルギー

2019年5月30日(木) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:土屋 範芳(東北大学大学院環境科学研究科環境科学専攻)、浅沼 宏(産業技術総合研究所・再生可能エネルギー研究センター)、小川 康雄(東京工業大学理学院火山流体研究センター)、長縄 成実(国立大学法人秋田大学)

[SCG58-P04] 多成分溶液の光散乱現象を用いた臨界点決定方法の実験的研究

*平野 伸夫1大島 悠太1岡本 敦1土屋 範芳1 (1.東北大学大学院環境科学研究科)

キーワード:臨界点決定、多成分流体、超臨界流体、散乱光分光

地殻流体は様々な地殻構成物質と反応した後の多成分流体であり、地球内部では超臨界状態にある場合が多い。これらの条件下での流体 - 岩石反応を知るためには、地殻流体の臨界点(CP)と相状態を知ることが非常に重要となる。しかし、地殻流体や海水など多成分流体の臨界点を流体成分を用いた状態方程式(EOS)による計算で直接決定することは困難であり、実験的に決定する必要がある。
超臨界流体中の分子は不均一に分布しており、流体中に密度の高い領域や疎な領域を形成することが知られている。このような分子分布の不均一性は密度ゆらぎと呼ばれ、この揺らぎの度合いはその流体のCP付近でで最大となることが知られている。
2OおよびCO2のような純粋な物質については密度揺らぎを原因とする臨界タンパク光が亜臨界から超臨界への遷移において発現することが報告されており,分光学的に観察する事ができる。したがって、多成分流体においてもこのような変化を分光法で観察できれば、CP値を推定することが可能であると考えられる。
本研究の目的は、亜臨界/超臨界遷移状態にある多成分流体の溶液を分光学的に観察することにより,そのCPを容易に決定するための新しい測定技術/手順を確立することである。