[S-EM19] 電気伝導度・地殻活動電磁気学

[SEM19-P01] 絶対湿度が乾燥岩石試料表面と電極間の接触抵抗に与える影響

*鈴木 健士¹、吉村 令慧²、山崎 健一²、大志万 直人² (1.京都大学大学院理学研究科、2.京都大学防災研究所)

キーワード：接触抵抗、大気中の水分、絶対湿度、接触面積、導電性エポキシ樹脂、花崗岩

様々な地下環境を再現した条件下での岩石比抵抗測定は、電磁 ・電気探査の結果を正確に解釈するために必要不可欠である。しかし、岩石比抵抗測定上の問題として、岩石試料と測定電極間の接触抵抗が挙げられる。特に、乾燥状態の岩石試料は接触抵抗が非常に高い。高接触抵抗の測定は非常に困難なため、その性質も十分に調べられていない。
我々は接触抵抗の性質を明らかにするため、高接触抵抗の測定手法を新たに構築し、乾燥花崗岩表面と導電性エポキシ樹脂製電極間の接触抵抗を測定した。また、大気中の水蒸気と岩石試料の相互作用を考慮して、複数の湿度条件で接触抵抗を繰り返し測定した。
結果、絶対湿度の増加に対する接触抵抗の減少が確認された。両者の間には明確な関係が見出され、その関係は指数関数により近似された。この結果は、湿度増加に伴う電極と岩石試料の接触面積増加を示唆している。接触面積の増加は、接触面に存在する微小間隙を大気中の水分が埋めることで生じたものと解釈された。