日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-EM 固体地球電磁気学

[S-EM19] 電気伝導度・地殻活動電磁気学

2019年5月27日(月) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:相澤 広記(九州大学大学院理学研究院附属・地震火山観測研究センター)、松野 哲男(神戸大学海洋底探査センター)

[SEM19-P11] 楕円体圧力源によるピエゾ磁気変化(序報)

*笹井 洋一1 (1.東海大学・海洋研究所・地震予知研究センター)

キーワード: ピエゾ磁気効果、楕円体圧力源、キュリー点等温面、ピエゾ磁場の表現定理

Sasai(1986)は半無限弾性体の中に置かれた単力源によって生じるピエゾ磁気ポテンシャル(基本ピエゾ磁気ポテンシャル[Fundamental Piezomagnetic Potential: FPP])を定式化して,その応用例として円形の貯水池によるダム地磁気効果(地表での鉛直荷重によって生じるピエゾ磁気変化)を計算した.さらにこのFPPを楕円体状の体積的圧力源についても適用可能であろうと予想した.しかしこのやり方で解を求めることは未完で終わっている.Davis(1986)はハワイ・キラウエア火山で観測された地表変位が単純な茂木モデルでは説明できないことを指摘して,Eshelby(1957)の楕円体介在物の理論を適用し,地表変位を説明する楕円体状の力源を求めた.Davisの仕事は地表面での変位だけを求めたものであり,ピエゾ磁気効果を計算するためには弾性体内部の解を知らなければならない.Seo and Mura (1979)は金属組成学の課題として,半無限体の中で一様に膨張する楕円体介在物による弾性場を定式化した.我々はこの解を採用する.地殻浅部におけるピエゾ磁気現象では一様磁化した表層を持つ半無限弾性体を考えなければならない.ピエゾ磁気ポテンシャルはその表現定理(Sasai, 1991)によって応力を受けている弾性体の表面の変位とその鉛直微分についての面積分で与えられる.キュリー点等温面が楕円体圧力源より下方にある場合(Case I),圧力源を横切る場合(Case II),圧力源より上にある場合(Case III)に分けられる.まず最も簡単なCase IIIについての解を求めた.

Davis, P. M., 1986, J. Geophys. Res., 91, 7429-7438.
Eshelby, J. D., 1957, Proc. Roy. Soc., London, Ser. A, 376-396.
Seo, K. and T. Mura, 1979, J. Appl. Mech., 46, 568-572.
Sasai, Y., 1986, J. Geomag. Geoelectr., 38, 949-969.
Sasai, Y., 1991, Bull. Earthq. Res. Inst., Univ. Tokyo, 66, 585-722.