日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD03] 測地学一般・GGOS

2019年5月27日(月) 13:45 〜 15:15 304 (3F)

コンビーナ:松尾 功二(国土地理院)、横田 裕輔(東京大学生産技術研究所)、若杉 貴浩(国土交通省国土地理院)、座長:小門 研亮(国土地理院)、横田 裕輔

14:20 〜 14:35

[SGD03-03] 石岡測地観測局におけるVLBI-GNSSコロケーション測量

*松本 紗歩1梅井 迪子1上芝 晴香1栗原 忍1吉川 忠男1若杉 貴浩1 (1.国土交通省 国土地理院)

キーワード:VLBI、コロケーション測量、ローカルタイベクトル、ITRF、GNSS

国際地球基準座標系(International Terrestrial Reference Frame; ITRF)は、複数の宇宙測地技術(VLBI、 GNSS、 SLR、 DORIS)により構築される。それぞれの特長を持つ宇宙測地技術の観測網を結合することで、はじめてITRFの構築が可能となる。例えばVLBIはスケールと自転軸の決定に用いられ、SLRはスケールと重心の決定に用いられる。異なる宇宙測地技術の観測網を結合する際、観測点相互の位置関係が必要となるため、それを地上で計測する測量(コロケーション測量)を実施する必要がある。

国土地理院石岡測地観測局では、VLBI観測施設とGNSS観測点の2つの観測施設を運用している。VLBI観測施設は国際VLBI事業(IVS)の新しい規格であるVGOSに対応したものであると同時に、GNSS観測点はIGS点「ISHI」として登録されており、ITRFの構築において重要な役割を持つ観測局である。

石岡局では2018年11月に、2015年1月以来2度目のコロケーション測量を実施した。コロケーション測量では、VLBIアンテナ中心(AZ-EL交点)とGNSSアンテナ中心間の相対位置を計測するが、VLBIアンテナ中心については間接的な手法で測量を実施する必要がある。今回のコロケーション測量では、アウトサイド法とインサイド法の二つの手法で測量を実施した。アウトサイド法は、アンテナの周囲に設置されたピラーに設置したトータルステーションからアンテナ駆動部分に取り付けたターゲットを観測する方法である。インサイド法では、アンテナ中心付近にトータルステーションを設置し、アンテナキャビン内に取り付けたターゲットを観測する。インサイド法は今回初めてコロケーション測量に導入した手法であるため、観測手法や計算方法、誤差の評価方法について新たに検討した。

本発表では、石岡測地観測局で2018年11月に実施したコロケーション測量について、その成果を報告するとともに、二つの手法の比較検討を行う。