16:20 〜 16:35
[SGD03-09] オーストラリア北側の海洋での海水準変動について
キーワード:衛星高度計、GRACE、Argo float、海面高、ENSO
衛星海面高度計で計測される海面高は2つの主な要因によって変動する。第一は陸域の
水との再分配に伴う質量変化、第二は海水温変化による体積変化であり、それぞれ
GRACEとArgo floatによって計測される。これら3種の量の関係は海域ごとに異なってお
り、それぞれの地域でそれらの相互関係を明らかにすることは、海域ごとのダイナミクス
を理解するために有効である。この研究ではオーストラリア北側の海洋(アラフラ海、チ
モール海、カーペンタリア湾、ソロモン海)における海面高の変動を考える。この地域の
特徴は、季節変化が大きいことと、ENSOやIODといった複数の気候変動の影響を受ける
ことである。まず、海面高度、海水の熱膨張、重力変化の3つの量について、それぞれの
時間変化を比較し、吹き寄せによる質量変化が卓越するカーペンタリア湾以外の海域では
熱膨張成分が海面高変動の主要因であることがわかった。次に、気候変動駆動の成分を評
価するため、季節変化と経年変化に注目してEOF解析を行った。海面高変動の季節変化が
最も大きいのはカーペンタリア湾であり、重力の季節変動は陸域と海域で同じ位相で起こ
っていることがわかった。また、先行研究で指摘されている降水量の長期トレンドの変動
が重力変化のEOF第2モードに現れた。また、季節変動を除いたデータでEOF解析を行っ
たところ、海面高変動ではENSOの、重力変化ではPDOの影響を受けていることがわかっ
た。
水との再分配に伴う質量変化、第二は海水温変化による体積変化であり、それぞれ
GRACEとArgo floatによって計測される。これら3種の量の関係は海域ごとに異なってお
り、それぞれの地域でそれらの相互関係を明らかにすることは、海域ごとのダイナミクス
を理解するために有効である。この研究ではオーストラリア北側の海洋(アラフラ海、チ
モール海、カーペンタリア湾、ソロモン海)における海面高の変動を考える。この地域の
特徴は、季節変化が大きいことと、ENSOやIODといった複数の気候変動の影響を受ける
ことである。まず、海面高度、海水の熱膨張、重力変化の3つの量について、それぞれの
時間変化を比較し、吹き寄せによる質量変化が卓越するカーペンタリア湾以外の海域では
熱膨張成分が海面高変動の主要因であることがわかった。次に、気候変動駆動の成分を評
価するため、季節変化と経年変化に注目してEOF解析を行った。海面高変動の季節変化が
最も大きいのはカーペンタリア湾であり、重力の季節変動は陸域と海域で同じ位相で起こ
っていることがわかった。また、先行研究で指摘されている降水量の長期トレンドの変動
が重力変化のEOF第2モードに現れた。また、季節変動を除いたデータでEOF解析を行っ
たところ、海面高変動ではENSOの、重力変化ではPDOの影響を受けていることがわかっ
た。