日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-MP 岩石学・鉱物学

[S-MP29] Oceanic and Continental Subduction Processes

2019年5月28日(火) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:Hafiz Ur REHMAN(Department of Earth and Environmental Sciences, Graduate School of Science and Engineering, Kagoshima University)、辻森 樹(東北大学)、Chin-Ho Tsai(Department of Natural Resources and Environmental Studies, National Dong Hwa University)、岡本 和明(埼玉大学教育学部地学)

[SMP29-P01] 飛騨外縁帯(伊勢)箱ヶ瀬の変成堆積岩中のジルコンU-Pb年代

*宮下 敦1辻森 樹2Daniel Pastor-Galán3Yi Keewook4 (1.成蹊大学、2.東北大学、3.サラマンカ大学、4.韓国KBSI)

キーワード:低温高圧型変成岩、ジルコンU-Pb年代、白雲母K-Ar年代

変成堆積岩中の最も若い砕屑性ジルコンU-Pb年代は,堆積年代に近い年代を示している(Tsutsumi et al., 2009).一方,変成堆積岩の白雲母K-Ar年代は,変成岩が上昇して変形が止り白雲母のK-Ar系が閉止した年代を示している(Itaya and Tsujimori, 2015).このため,1つの試料で,この両者を測定すると,変成岩が堆積してから上昇までの年代差を測定することができ,沈み込み帯中での変成帯の移動速度を見積もることが可能になる.飛騨外縁帯(伊勢)箱ヶ瀬(荷暮川)の変成堆積岩の白雲母K-Ar年代は,約285Maであることが知られている(椚座ほか,2004).また,この変成苦鉄質岩と変成堆積岩にはローソン石レリックが知られている(宮川,1982).今回,韓国KBSIのSHRIMP IIで測定した砂質変成堆積岩中の砕屑性ジルコンU-Pb年代のうち,最も若い年代は307Maであることが分かった.このことは,飛騨外縁帯変成堆積岩の堆積から上昇までの年代差は約20Maであることを示す.この値は三波川帯(Tsutsumi et al., 2009)とほぼ同じで,低温高圧型変成岩類の堆積から上昇までの年代差は共通である可能性を示している.