日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS07] Rigorous Seismicity Modelling and Hypothesis Testing

2019年5月27日(月) 15:30 〜 17:00 A10 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:庄 建倉(統計数理研究所)、Schorlemmer Danijel(GFZ German Research Centre for Geosciences)、Matt Gerstenberger(GNS Science)、鶴岡 弘(東京大学地震研究所)、座長:Matthew Gerstenberger(GNS Science, New Zealand)、Danijel Schorlemmer(GFZ-Potsdam, Germany)

16:15 〜 16:30

[SSS07-04] CSEP Japan の結果と今後に向けて

*平田 直1鶴岡 弘1Schorlemmer Danijel3庄 建倉2 (1.東京大学地震研究所、2.統計数理研究所、3.GFZ)

キーワード:地震予測可能性、CSEP

CSEPに基づく地震発生予測実験が日本では2009年11月から開始され,ほぼ10年が経った.日本においては,3つのテスト領域と4つのテストクラスが設定され,160を超えるモデルが日本のテストセンターにおいて評価されている.
 実験が開始されてすぐに太平洋東北沖地震が発生し,予測結果の成績がよくなかった期間があったが,その後は回復傾向である.ただし,太平洋東北地震の影響を考慮したモデル改良によりモデルのパフォーマンスが向上することもわかった.また,地震数の予測が多くのモデルで比較的困難であるということもわかった.
 予測結果の評価は,CSEP標準のテストであるN-test, M-Test, S-Test, L-testにより実施されているが,モデル間の比較のためには,対数尤度や情報利得(あるいは確率利得)が直接的で有効であることも明らかとなった.
 実験が開始され10年が経ち,テストセンターにおけるハードウェアの老朽化への対策や学習データの増加により大きな配列数の確保などモデルの修正などが必要となっている.また,現在の実験はマグニチュード4あるいは5以上を予測するテストクラスが設定されているが,より大きなマグニチュードを予測するテストクラスの設定が必要である.