[SSS13-P19] 2018年大阪府北部地震による富士川河口断層帯周辺地域における長周期地震動のシミュレーション
キーワード:富士川河口断層帯、大阪府北部地震、長周期地震動シミュレーション、強震観測
概要
富士川河口断層帯は、駿河湾の駿河トラフとの関連が示唆される活断層であり、活動間隔は、一般の内陸活断層に比べ相対的に短い断層である。さらに、この断層帯の上には首都圏と中京圏を結ぶ交通網の大動脈が通っている。この地域での強震動予測の高精度化は地震防災の観点から重要である。本研究では、2018年4月より新たに富士宮市及び富士市に強震観測点を設置し中小地震による強震観測記録を取得している。この地域では観測点で得られたデータの中で、2018年大阪府北部地震の記録では、揺れの継続時間が2分近くと長く、長周期成分が卓越していたことがわかった。次に、J-SHISの深部地盤構造モデルを用いて大阪府北部地震での地震動シミュレーションを行った。また、気象庁のCMT解を参考に点震源モデルを仮定した。まず、岩盤サイト(YMNH10)における波形を検討すると、計算波形は観測波形における波形の特徴を後続波までよくとらえていた。また、観測波形、計算波形ともに確認することができた波形群としては、S波が到達した後少し遅れて到達する南北の波面を持つ表面波、またその後に続く後続波は地震基盤の深さが急に深くなる山梨県南西部から到達する表面波であることがスナップショットの結果から明らかとなった。一方で、静岡市周辺の観測点では3-20秒の周期帯域で観測波形の再現性が劣ることがわかり、地下構造モデルには改善の余地があることが示された。
謝辞
本研究の一部は、文部科学省による富士川河口断層帯における重点的な調査観測として実施された。
富士川河口断層帯は、駿河湾の駿河トラフとの関連が示唆される活断層であり、活動間隔は、一般の内陸活断層に比べ相対的に短い断層である。さらに、この断層帯の上には首都圏と中京圏を結ぶ交通網の大動脈が通っている。この地域での強震動予測の高精度化は地震防災の観点から重要である。本研究では、2018年4月より新たに富士宮市及び富士市に強震観測点を設置し中小地震による強震観測記録を取得している。この地域では観測点で得られたデータの中で、2018年大阪府北部地震の記録では、揺れの継続時間が2分近くと長く、長周期成分が卓越していたことがわかった。次に、J-SHISの深部地盤構造モデルを用いて大阪府北部地震での地震動シミュレーションを行った。また、気象庁のCMT解を参考に点震源モデルを仮定した。まず、岩盤サイト(YMNH10)における波形を検討すると、計算波形は観測波形における波形の特徴を後続波までよくとらえていた。また、観測波形、計算波形ともに確認することができた波形群としては、S波が到達した後少し遅れて到達する南北の波面を持つ表面波、またその後に続く後続波は地震基盤の深さが急に深くなる山梨県南西部から到達する表面波であることがスナップショットの結果から明らかとなった。一方で、静岡市周辺の観測点では3-20秒の周期帯域で観測波形の再現性が劣ることがわかり、地下構造モデルには改善の余地があることが示された。
謝辞
本研究の一部は、文部科学省による富士川河口断層帯における重点的な調査観測として実施された。