[SSS15-P23] 地中レーダを用いた台湾山脚断層の検出
キーワード:活断層、1867年基隆地震、地中レーダ
1867年12月18日、台湾北東部で基隆地震が発生した。台湾北東部の金山市街地近傍では震度7相当(台湾中央気象局の震度階級)の揺れに見舞われた。また台湾北東海岸には遡上高6mの津波が襲来した。文献記録に残された当時の被害状況から震度分布および津波遡上高分布が推定されている。それらによると、この地震津波は台湾北東部から海域に北東方向に伸びる山脚断層の海域延長部で発生した可能性が指摘されている(Cheng et al., 2016 TAO)。山脚断層は台北市南部から金山を通る長さ約53kmの正断層である(Shyu et al., 2015 TAO)。地形調査、ボーリング探査および反射法探査の結果から、山脚断層は金山市街地の北側を山麓に沿って通っていると推定されている。しかし、山脚断層の陸域部分が1867年のときに活動したかどうかはわかっていない。そこで地中レーダ(Ground Penetrating Radar: GPR)を用いた地下構造探査を実施し、断層位置の検出を試みた。
調査は金山市街地の北側に位置する海岸砂丘で実施した。砂丘は海岸に沿って北西-南東方向に伸びている。山脚断層はこの砂丘を直交するように切って通っている。GPR測線は、砂丘の走向と平行方向に、かつ断層の推定位置を通る長い測線と、それと直交方向の砂丘を切る短い測線の2種類を配置した。調査は2017年8月15日から17日および2018年8月16日から20日に実施した。測線は砂丘に平行な方向に3測線、および砂丘に直交する方向に2測線設定した。使用した機器はSensors & Software Inc.のpulseEKKOである。探査に使用した電磁波の周波数は50 MHZ, 100MHzおよび250MHzの3種類である。周波数50MHzと100MHzのとき、砂丘に平行な測線では深さ約6mまでイメージングされている。
金山北部の海岸に平行な測線の深さ約1mで、顕著な反射層が見られた。この反射層は、ボーリング調査で推定された山脚断層の位置に近いところで北西側が1~3m低くなっていた。しかしこの変位は山脚断層の変位(南東側に傾斜した正断層)とは逆である。このことから、山脚断層から分岐した断層(反射法探査に現れている)による変形を捉えた可能性があると考えた。
調査は金山市街地の北側に位置する海岸砂丘で実施した。砂丘は海岸に沿って北西-南東方向に伸びている。山脚断層はこの砂丘を直交するように切って通っている。GPR測線は、砂丘の走向と平行方向に、かつ断層の推定位置を通る長い測線と、それと直交方向の砂丘を切る短い測線の2種類を配置した。調査は2017年8月15日から17日および2018年8月16日から20日に実施した。測線は砂丘に平行な方向に3測線、および砂丘に直交する方向に2測線設定した。使用した機器はSensors & Software Inc.のpulseEKKOである。探査に使用した電磁波の周波数は50 MHZ, 100MHzおよび250MHzの3種類である。周波数50MHzと100MHzのとき、砂丘に平行な測線では深さ約6mまでイメージングされている。
金山北部の海岸に平行な測線の深さ約1mで、顕著な反射層が見られた。この反射層は、ボーリング調査で推定された山脚断層の位置に近いところで北西側が1~3m低くなっていた。しかしこの変位は山脚断層の変位(南東側に傾斜した正断層)とは逆である。このことから、山脚断層から分岐した断層(反射法探査に現れている)による変形を捉えた可能性があると考えた。