日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-VC 火山学

[S-VC35] 火山防災の基礎と応用

2019年5月27日(月) 13:45 〜 15:15 105 (1F)

コンビーナ:宝田 晋治(産業技術総合研究所活断層・火山研究部門)、吉本 充宏(山梨県富士山科学研究所)、石峯 康浩(鹿児島大学地震火山地域防災センター)、久保 智弘(防災科学技術研究所)、座長:久保 智弘(防災科学技術研究所)、宝田 晋治(産総研地質調査総合センター)

14:30 〜 14:45

[SVC35-04] 人工衛星による熱赤外線データを用いた火山監視
―火山活動・林野火災速報システムとCIRC(小型赤外カメラ)が捉えた火山活動―

*高倉 有希1中右 浩二1石澤 淳一郎1 (1.宇宙航空研究開発機構)

キーワード:人工衛星、赤外線、火山防災

世界有数の火山大国である我が国には、研究や防災のために火山の地上観測網が発達しており、年々高度化されている。しかしながら、遠方離島や海底火山などについては常時観測の手段が限られる場合もある。これらの火山を網羅的かつ定期的に監視するために人工衛星は有効であり、特に、人工衛星に搭載した熱赤外線センサによる夜間の熱赤外線画像は、溶岩流、火砕流だけでなく、地熱異常域等の監視が可能となることが期待できる。

この人工衛星の赤外線データを防災に有効利用するには、防災機関自らが簡便に解析結果を利用できるデータ提供システムが必要である。そこで、JAXAはCIRC等の熱赤外線データを提供する「火山活動・林野火災速報システム(以下、速報システム)」を開発した。速報システムの火山部分は2018年9月から公開済である(https://kazan.jaxa.jp/)。速報システムは大きく3つの機能がある。①CIRC等の衛星赤外線データを地図上で表示する機能、②火山活動の変化を自動抽出する機能、③自動抽出した変化をメールなどでプッシュ通知する機能である。通知機能については、今後の運用開始を検討中である。同システムの監視対象は日本国内および周辺の活火山である。そのうち、防災機関と定めた12個の火山について、火山活動の状況把握手法の研究を行っている。本発表では速報システムとCIRC等の衛星赤外線センサで捉えた火山活動を紹介する。