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[SVC38-12] ブルカノ式噴火における噴火微動と火山灰放出量の関係:霧島山新燃岳2018年噴火の場合
キーワード:ブルカノ式噴火、火山性微動、火山灰放出量、新燃岳
霧島火山群の新燃岳では,2008年8月〜2011年に一連の噴火活動が起こった後,6年の休止期間を経て2017年10月に噴火活動を再開し,2018年3月〜6月に噴火活動があった.田島・他(本連合大会)は,2018年3月からの一連の噴火活動において新燃岳降灰調査グループなどによる火山灰調査の結果を用いて,いくつかの噴火によって放出された火山灰量を推定した.本研究は,そのうち,ブルカノ式噴火に着目し,噴火に伴って観測される火山性微動の特徴と火山灰放出量を比較する事により,これらの関係性を調べた.
本研究で使用する噴火微動の地震動データとしては,噴火毎に比較できるようにするため,地震観測点と噴火微動発生源との距離の変化が小さい,地震観測点への降灰や噴石の影響が少ない,などの条件を満たすことを考慮して,新燃岳火口から適当な距離にある東京大学地震研究所霧島火山観測所に設置されている地震計で得られたデータを用いた.田島・他(本連合大会)が火山灰放出量を求める事が出来た6個のブルカノ式噴火に対応する噴火微動について,微動の開始時刻を噴火の発生開始時刻,噴火微動の振幅が十分に小さくなった時刻を噴火終了時刻とした.これを用いて,積算二乗和(波動の積算エネルギーに相当)や微動継続時間(噴火の継続時間に相当)などを求め,火山灰放出量と比較した.例えば図1は,縦軸に火山灰放出量,横軸に微動の積算二乗和をとって両対数で表示したものである.この組合せでは,系統的な変化が見られなくは無いが,ベキ乗則のように単純な関係は見られない.組合せを変えて調べると,火山灰放出量と継続時間に明瞭な関係が見られた.図2は,縦軸に火山灰放出量,横軸に噴火微動の継続時間をとって両対数で示したものである.ベキ乗則が成り立つと仮定すると,火山灰放出量は噴火微動の継続時間の2乗に比例していることになる.
本研究で得られた関係は,あくまでも霧島山新燃岳の2018年に起こったブルカノ式噴火におけるケーススタディとして得られた結果であり,一般的な関係かどうかは,他の火山や,新燃岳の他の時期の調査が必要となるが,ブルカノ式噴火における火山灰放出メカニズムを考える上で,重要な指針になると筆者らは考える.
本研究で使用する噴火微動の地震動データとしては,噴火毎に比較できるようにするため,地震観測点と噴火微動発生源との距離の変化が小さい,地震観測点への降灰や噴石の影響が少ない,などの条件を満たすことを考慮して,新燃岳火口から適当な距離にある東京大学地震研究所霧島火山観測所に設置されている地震計で得られたデータを用いた.田島・他(本連合大会)が火山灰放出量を求める事が出来た6個のブルカノ式噴火に対応する噴火微動について,微動の開始時刻を噴火の発生開始時刻,噴火微動の振幅が十分に小さくなった時刻を噴火終了時刻とした.これを用いて,積算二乗和(波動の積算エネルギーに相当)や微動継続時間(噴火の継続時間に相当)などを求め,火山灰放出量と比較した.例えば図1は,縦軸に火山灰放出量,横軸に微動の積算二乗和をとって両対数で表示したものである.この組合せでは,系統的な変化が見られなくは無いが,ベキ乗則のように単純な関係は見られない.組合せを変えて調べると,火山灰放出量と継続時間に明瞭な関係が見られた.図2は,縦軸に火山灰放出量,横軸に噴火微動の継続時間をとって両対数で示したものである.ベキ乗則が成り立つと仮定すると,火山灰放出量は噴火微動の継続時間の2乗に比例していることになる.
本研究で得られた関係は,あくまでも霧島山新燃岳の2018年に起こったブルカノ式噴火におけるケーススタディとして得られた結果であり,一般的な関係かどうかは,他の火山や,新燃岳の他の時期の調査が必要となるが,ブルカノ式噴火における火山灰放出メカニズムを考える上で,重要な指針になると筆者らは考える.