日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-VC 火山学

[S-VC38] 活動的火山

2019年5月27日(月) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:前田 裕太(名古屋大学)、三輪 学央(防災科学技術研究所)、西村 太志(東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻)

[SVC38-P17] 2011年3月15日の静岡県東部地震による富士山周辺域のb値の空間分布への影響

*村越 匠1宮下 智成2 (1.防衛大学校、2.航空自衛隊)

キーワード:b値、富士山、2011年静岡県東部地震

2011年3月15日22時31分頃に富士山山頂から南西に約6kmの深さ15km付近においてMj6.4の2011年静岡県東部地震が発生した。富士山周辺におけるM6以上の地震は1931年9月16日のMj6.3の地震以降なかったため、2011年静岡県東部地震は富士山周辺における約80年ぶりのM6以上の地震であった。火山地域のマグマだまりなどの地下の不均質性やその時空間変化を調べる手法の一つに、G-R則のb値の空間分布を使った解析がある。富士山周辺域については、2001年から2009年までののb値の解析があるが(原田ほか、2010)、2011年静岡県東部地震の前後の影響については調べられていない。そのため、本研究では気象庁一元化震源データを用いたG-R則のb値の空間分布の解析により、2011年静岡県東部地震が発生したことによる富士山周辺域の地震活動への影響を調べた。その結果、2011年静岡県東部地震の直後でb値が大きく下がり、徐々に元のb値の値に戻ってきている傾向にあることがわかった。また、2011年静岡県東部地震の前後での特徴として、この領域内で南西から北東方向にb値が大きくなる空間パターンがあることがわかった。