[SVC38-P20] 伊豆大島山頂付近の地震のSchusterの方法によるp値の時間変化について
キーワード:火山性地震、地球潮汐、p値
伊豆大島で起きる火山性地震と地球潮汐の関連については,森田他(2016),森田他(2017)で検討されている.これらの研究では,伊豆大島の山頂カルデラ付近の地震と地球潮汐の関係について議論されている.また,高山他(2018)では,伊豆大島の山頂と山腹を5つの区域に分け,それぞれの地域の地震で主要4分潮に対するp値を計算し,地震と地球潮汐との関連を調べている.
地球潮汐と地震の発生が関連あるかどうかは,schusterの方法(Schuster(1897))によった.この方法は,地球潮汐と地震発生が無相関であるという帰無仮説を棄却する危険率を調べる方法である.具体的には,地震発生時の潮位位相角をΘiとすると,
R=(ΣcosΘi)^2+(ΣsinΘi)^2
p=exp(-R/N)
で計算されるpを用いて検定する.pは,0~1までの値をとり,0に近いほど帰無仮説を棄却できる.潮位位相角は,それぞれの分潮に対して計算できる.本研究では,主太陰半日周潮(以下M2と略す)を用いた.
この方法は原理上,地震カタログに群発活動が含まれると,正確なp値が計算できない.そこで,地震カタログをデクラスタすることにより,この問題を避けた.
今回は,山頂付近の地震についてp値の時間変化を調べた.気象庁カタログの山頂付近の地震の検知力は,マグニチュード0.0以上であり,デクラスタしたあとの全ての地震を使ってp値を計算すると,0.011となった.そこで,山頂付近の地震を時間ごとに分割し,それぞれでM2に対するp値を計算した.
実際の解析には,気象庁のカタログの2002年4月から2017年1月までのものをもちいた.これから,伊豆大島山頂付近の地震を取り出した.そのうちマグニチュード0.0より大きいものは1084個あり,デクラスタしたあとは901個となった.この地震カタログから連続して地震を100個取り出し,それを1個ずつシフトさせてM2に対するp値を計算した.
結果は,周期的にp値が増減を繰り返すということになった.ちなみに,最大値は0.98,最小値は0.0030であった.地球潮汐と地震発生が無相関である仮説を棄却する基準を0.05とすると,それを下回るp値が得られたのは2006年頃,2010年頃,2014年頃である.森田他(2017)によると,地球潮汐と地震発生の相関がみられる時期には,マグマからの揮発性成分の上昇が増えたことを示唆する可能性がある.上記の3期間は,マグマからの揮発性成分の上昇が増えた可能性がある.また,森田他(2017)では,その揮発性成分の上昇が2013年から増えたとあるが,それに対応するのが2014年頃のp値の減少ではないか.
地球潮汐と地震の発生が関連あるかどうかは,schusterの方法(Schuster(1897))によった.この方法は,地球潮汐と地震発生が無相関であるという帰無仮説を棄却する危険率を調べる方法である.具体的には,地震発生時の潮位位相角をΘiとすると,
R=(ΣcosΘi)^2+(ΣsinΘi)^2
p=exp(-R/N)
で計算されるpを用いて検定する.pは,0~1までの値をとり,0に近いほど帰無仮説を棄却できる.潮位位相角は,それぞれの分潮に対して計算できる.本研究では,主太陰半日周潮(以下M2と略す)を用いた.
この方法は原理上,地震カタログに群発活動が含まれると,正確なp値が計算できない.そこで,地震カタログをデクラスタすることにより,この問題を避けた.
今回は,山頂付近の地震についてp値の時間変化を調べた.気象庁カタログの山頂付近の地震の検知力は,マグニチュード0.0以上であり,デクラスタしたあとの全ての地震を使ってp値を計算すると,0.011となった.そこで,山頂付近の地震を時間ごとに分割し,それぞれでM2に対するp値を計算した.
実際の解析には,気象庁のカタログの2002年4月から2017年1月までのものをもちいた.これから,伊豆大島山頂付近の地震を取り出した.そのうちマグニチュード0.0より大きいものは1084個あり,デクラスタしたあとは901個となった.この地震カタログから連続して地震を100個取り出し,それを1個ずつシフトさせてM2に対するp値を計算した.
結果は,周期的にp値が増減を繰り返すということになった.ちなみに,最大値は0.98,最小値は0.0030であった.地球潮汐と地震発生が無相関である仮説を棄却する基準を0.05とすると,それを下回るp値が得られたのは2006年頃,2010年頃,2014年頃である.森田他(2017)によると,地球潮汐と地震発生の相関がみられる時期には,マグマからの揮発性成分の上昇が増えたことを示唆する可能性がある.上記の3期間は,マグマからの揮発性成分の上昇が増えた可能性がある.また,森田他(2017)では,その揮発性成分の上昇が2013年から増えたとあるが,それに対応するのが2014年頃のp値の減少ではないか.