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[U06-10] IASPEIの活動と歴史ならびに日本の貢献
キーワード:IASPEI、地震学、IUGG
IASPEI (International Association of Seismology and Physics of the Earth’s Interior,国際地震学・地球内部物理学協会)はIUGG傘下の8つの協会の一つであり,震源,地震波の伝播,地球の内部構造・物性・プロセスなどの研究を推進している.IASPEIには以下の7つの委員会がある:地震観測と解釈,テクトノフィジックスと地殻構造,地震発生過程―物理・モデリング・予測のためのモニタリング,地球内部構造とジオダイナミクス,地震ハザード・リスク・強震動,地震の震源メカニクス,教育とアウトリーチ.さらに,IASPEIの特徴として,ヨーロッパ(ESC, 1951年設立),アジア(ASC, 1996年設立),アフリカ(AfSC, 2011年設立),ラテンアメリカ(LACSC, 2013年設立)の地域毎の協会があり,それぞれが隔年に学会やトレーニングコースを開催している.
地震学は各地における地震現象やその影響についての記載的学問としてスタートした.各国の地震学に関する学会は,スイス(1878年),イタリア(1879),日本(1880年)で設立された.1889年に日本の地震からの地震波がドイツで記録されたことから,地震学は国際的になり,初の国際地震学会が1901年にStrasbourg(現在はフランス,当時はドイツ)で開催され,日本を含む8か国からの参加があった.1904年にはInternational Seismological Society(国際地震学協会)が設立され,1922年にはIUGGの一部となった.その後,1930年にIAS, 1951年にIASPEIと名称が変更になった.
IASPEIの重要な役割は地震観測の標準の設定,すなわち地震波の相の名前,検測方法や地震観測網の改善などであり,それらはManual of Seismological Observatory Practice(地震観測マニュアル)として刊行されている(最新版は2012年).これらのIASPEI標準に基づいた地震のブレティン(観測データ)はInternational Seismological Centreが発行している.IASPEIはiasp91やak135といった全球的な地震波速度構造モデルも提供してきた.地球上の震源分布や標準的な内部構造モデルは,プレートテクトニクスや地球内部の構造やダイナミクスなどの研究のための基礎的なデータとしての役割を果たしてきた.IASPEIはまた,地震前兆現象に関して刊行された論文について,ピアレビューと評価を行ったこともある.このほか,地震学解析ソフトやInternational Handbook of Earthquake and Engineering Seismologyを刊行してきた.
IASPEI は,世界中のデジタル地震観測網の設置・維持を行う団体の組織FDSN (International Federation of Digital Seismograph Networks)や,地震学的手法も使って核実験探知を行うCTBTO (Comprehensive Test-Ban Treaty Organization)とも強く連携している.さらにIUGG内の他の協会との共同委員会,例えば,ILP (International Lithosphere Project), 津波,火山,衛星測地学の小委員会.も設置・サポートしている.
日本国内では,学術会議IUGG分科会のIASPEI委員会と地震学会のIASPEI委員会が表裏一体となって, IASPEIの窓口の役割を果たし,IASPEIに関する情報を地震学コミュニティに伝達するほか,IASPEIの役員や受賞候補者を推薦している.日本地震学会は,IASPEIやASCへの参加者への旅費の援助やASCの運営補助などの経済的援助を行っている.現在,日本から数名がIASPEIやASCの役員や小委員会の委員長を務めている. 最近のIASPEI学術総会は IAGと共同で2017年に神戸で開催され,たいへん盛会であった.
地震学は各地における地震現象やその影響についての記載的学問としてスタートした.各国の地震学に関する学会は,スイス(1878年),イタリア(1879),日本(1880年)で設立された.1889年に日本の地震からの地震波がドイツで記録されたことから,地震学は国際的になり,初の国際地震学会が1901年にStrasbourg(現在はフランス,当時はドイツ)で開催され,日本を含む8か国からの参加があった.1904年にはInternational Seismological Society(国際地震学協会)が設立され,1922年にはIUGGの一部となった.その後,1930年にIAS, 1951年にIASPEIと名称が変更になった.
IASPEIの重要な役割は地震観測の標準の設定,すなわち地震波の相の名前,検測方法や地震観測網の改善などであり,それらはManual of Seismological Observatory Practice(地震観測マニュアル)として刊行されている(最新版は2012年).これらのIASPEI標準に基づいた地震のブレティン(観測データ)はInternational Seismological Centreが発行している.IASPEIはiasp91やak135といった全球的な地震波速度構造モデルも提供してきた.地球上の震源分布や標準的な内部構造モデルは,プレートテクトニクスや地球内部の構造やダイナミクスなどの研究のための基礎的なデータとしての役割を果たしてきた.IASPEIはまた,地震前兆現象に関して刊行された論文について,ピアレビューと評価を行ったこともある.このほか,地震学解析ソフトやInternational Handbook of Earthquake and Engineering Seismologyを刊行してきた.
IASPEI は,世界中のデジタル地震観測網の設置・維持を行う団体の組織FDSN (International Federation of Digital Seismograph Networks)や,地震学的手法も使って核実験探知を行うCTBTO (Comprehensive Test-Ban Treaty Organization)とも強く連携している.さらにIUGG内の他の協会との共同委員会,例えば,ILP (International Lithosphere Project), 津波,火山,衛星測地学の小委員会.も設置・サポートしている.
日本国内では,学術会議IUGG分科会のIASPEI委員会と地震学会のIASPEI委員会が表裏一体となって, IASPEIの窓口の役割を果たし,IASPEIに関する情報を地震学コミュニティに伝達するほか,IASPEIの役員や受賞候補者を推薦している.日本地震学会は,IASPEIやASCへの参加者への旅費の援助やASCの運営補助などの経済的援助を行っている.現在,日本から数名がIASPEIやASCの役員や小委員会の委員長を務めている. 最近のIASPEI学術総会は IAGと共同で2017年に神戸で開催され,たいへん盛会であった.