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[U07-05] 地震ハザードマップへの非線形地盤応答の影響
キーワード:非線形地盤応答、地震ハザードマップ、分野横断共同研究
国,自治体レベルで様々な地震ハザードマップが作成・公開されている.その際の地盤増幅として,表層地盤をモデル化した上でサイト固有の非線形地盤応答を考慮することが望ましいが,単純な震度増分で表現されることも多い.これら表層地盤特性のモデル化は,常時微動や地震観測記録(弱震動)で行われることが多く,強震時の剛性低下や減衰の増加による地盤卓越周期の長周期化に十分対応できていない.実際,2016年熊本地震では非線形化による地盤卓越周期と建物の塑性化による固有周期の長周期化が連動し,建物被害を拡大したとの説もある.北海道胆振東部地震の斜面崩壊や宅地の地盤災害のトリガーとしても強震下での地盤の振る舞いが影響したとも考えられており,地震時の地盤災害を考える上でも重要である.地震学において非線形地盤応答が注目されはじめたのは1990年代だが,地震工学・地盤工学の分野では1970年代にはその影響を評価する手法(プログラムSHAKE)が提案されている.一方,常時微動や地震波干渉法,拡散波動場理論など地震学的アプローチによる新たな地下構造モデルの構築法も進展している.地球惑星科学の枠組みを越えた,これら諸分野との共同研究により,強震時の地盤応答を地震ハザードマップに反映させるための取り組みが求められている.