日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

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[U-08] 日本地球惑星科学連合の将来に向けた大会参加者からの意見と提言

2019年5月30日(木) 13:45 〜 15:15 101 (1F)

コンビーナ:浜野 洋三(神戸大学海洋底探査センター)、田近 英一(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、和田 浩二(千葉工業大学惑星探査研究センター)、隅田 育郎(金沢大学 理工研究域 地球社会基盤学系)、座長:和田 浩二(千葉工業大学惑星探査研究センター)、隅田 育郎

14:03 〜 14:15

[U08-02] 日本地球惑星科学連合における地理学の位置づけと将来展望

*小口 高1山田 育穂2早川 裕弌3河本 大地4齋藤 仁5 (1.東京大学空間情報科学研究センター、2.中央大学理工学部、3.北海道大学大学院地球環境科学研究院、4.奈良教育大学、5.関東学院大学経済学部)

キーワード:地理学、日本地球惑星科学連合、連携

日本地球惑星科学連合(以下連合と記す)には、2005年の発足時から地理学に関連する学会が団体会員として参加している。2019年2月の時点において、連合の50の団体会員のうち学会名に地理の語を含む学会が6つある。他に学会の英語名に Geographical を含む学会や、地理学と関連が深い地図学や地形学の学会なども参加しており、地理学は連合の中で一定の役割を果たしている。特に、連合の地球人間圏セクションでは地理学の研究者が主体的に活動している。一方、地理学関連の諸学会の会員の中で、連合の大会や活動に参加している人の比率は低い。この理由として、地理学者の過半を占める人文地理学者が理系色の強い連合に親近感を持たないことや、各学会が独自の春季大会等を行っており、連合大会と重複感があることなどが挙げられる。しかし、連合と地理学が強く結びつくことは、双方にとってメリットがあると考える。近年、文科省などが科学における文理連携・融合を重視しているため、連合の活動を理系の研究以外にも広げることが望ましいが、この際には文理の連携を長年実践してきた地理学が貢献できる。一方、2022年度に高等学校の地歴科で必修となる新科目「地理総合」において、自然災害や地球環境問題が重視されていることに象徴されるように、地理学の関係者が地球科学の素養を高める必要も生じている。本発表では、連合と地理学が連携しつつ発展していくための検討を行う。発表者は連合大会に継続的に参加している3世代の自然地理学者、人文地理学者、および修士まで工学を学んだ後に地理学のPhDとなった研究者の5名であり、多様な側面からの考察を試みる。